猛暑と呼ばれる時期でした。
仙台にしてはめずらしく猛暑日となったその時期、ちょうど新しい家に引っ越してきたばかりだったので部屋の片付けに追われていました。
庭の草は手入れもされておらず、伸び放題だったので草を刈り整地し最後に水を撒きました。
水をまいた途端、地面から一斉にミミズがわいて出てきました。
猛暑が続きしばらく雨も降らなかったせいか彼らは恵みの水を求めて一斉に群がってきたのです。
しかし、しょせんはこの猛暑の中では焼け石に水、あっというまに地面は乾きそのまま彼らも干からびて死んでしまいました。
そしてその夜。
熟睡していたはずなのにふと意識が覚醒しました。
そして体に違和感を覚えます。
胸の辺りがとても重苦しいのです、右肩から胸、左腰あたりに何か太くて重たいモノが乗っかっているのです。
そして重みをかけながら少しずつ這っている感覚がありました、私の体の上を這っているのです。
ズルズル・・・ズルズル・・・
そうしてしばらく動けないでいるとなにやら耳元でボソボソと呟きかけてくる何かがありました。
よくは聞き取れません、でも確かに何事かとボソボソ呟いてくるのです。
私はこの現状から何とか脱出しようと力の限り振り絞って体を起こしました。
ものすごく重たい何かを撥ね退けるように体を起こすと何かいるわけでもなく引っ越したばかりのまだ馴染めていない自分の部屋の時計の秒針が静かに時を刻み続ける音が響くのみでした。
「なぁんだぁ~~~疲れてて変な夢でもみていたのか~~~」
そう思ってゴロンと横向きになって寝なおそうとしたときに、
長く太く蛇のような胴に顔のようなモノが張り付いた「ナニか」と目が合った。
これは数十年前に自分が体験した実話ですね(´∀`)あとあと思い返してみるとあの時のミミズに文句言われてたんだと思います。
(続く)