腹膜透析は順調そのもので体調もそれなりに良好、月1の検診も担当医からとても良好ですと太鼓判を押されてじーちゃんも機嫌がよかった
でもやっぱりできないことも少しずつ増えていった
お風呂も介助が少しずつ増えていって私が頭を洗ってあげた
古い家なのでお風呂場は狭く介護向きではない
いつか自分たちも家を建て替えたり買い換える機会があれば絶対完全バリアフリーの家にしようと心に誓う
トイレも失敗することが増えた
毎回シーツを張り替える私にたいして申し訳なさそうにするじーちゃん
毎回シーツを洗う私よりもじーちゃんの心が大変だと思う
私はじーちゃんに履くタイプのおしめを提案した
じーちゃんはすんなり受け入れて以降は下着代わりに履いていた
シーツを汚すことが少なくなった安心感からじーちゃんの気持ちは幾分穏やかになったと思う
洗濯が大変だからと強制的におしめに変えることは簡単だ
でも私はじーちゃん自らが納得して履いてくれるのが一番いいしその方が長続きするとも思った
できるだけじーちゃんの尊厳を守りたかった
腹膜透析に切り替えて丸1年が経過した
相変わらずとても順調だった
このまま5年、10年が経過するものだと信じて疑わなかった
もう年だし近い将来お別れの時もやってくるだろう
でもそれはきっとゆるやかに訪れるものだと思っていたのに・・・
それはいつでも突然やってくる