ゼツカの冒険日誌

闇が私に語りかける。



「まだ認めたくないのか？」



「嘆いても、祈っても、あの男は戻らない」



「嘆いても、祈っても、何も変わらない」



「もうわかってるんだろう？」



「お前はいつまで足踏みを続けるんだ？」





私「うるさい！消えろ！私に構うな！！」








私「…はっ！」



気付けばまた同じ所に立っていた。



あの男と別れた場所。



あの男と出会った場所。



光と闇が交差する場所。



そう



あの男は戻らない。



わかっているんだ…。



あいつはもういないって…。



あいつは…私を助けるために現れた



《もう一人の私》なんだって…。






そう



月光の戦士《白銀のドレフルア》



月光と共に現れ



私を助けてくれた。



強大な悪から私を守ってくれた。



闇に呑まれた私を救いだしてくれた。



挫折した私に手を差し伸べてくれた。



だけど…。



そんな英雄はもういない。



私を守ってくれるやつは…。



もう…いないんだ…。



不安と悲しみが私を押し潰した。






私は斬った。



斬って



斬って



切り裂いて



何度も



何度も



何度も斬った



斬り続けた。



悲しみを消すように。



闇に支配されないように。



だから斬った。



殺した。



殺し続けた。



けど光は戻らない。



悲しみは減らない。



逆に増え続ける。



増え続ける悲しみ。



増え続ける屍の山。






それでも私は斬った。



我武者羅に斬り続けた。



今のままではだめだ。



足掻かなければ。



私は闇の戦士。



更なる力を手にいれなければ



あいつらを倒せない。



そんな時だった。



何かを感じたのだ。



～続く～