ヨメサンダーの冒険日誌

「仕返しって、ドカンと一発で終わるものじゃないんですよ。」

そう語るのは、ある仕返しのプロフェッショナル。
通称、トト子。

一撃で倒すことは、派手で気持ちがいい。
だが、それは記憶に残らない。

「私は違う。少しずつ、確実に削るんです。」

一撃一撃は小さい。
だが、それが日常の中に溶け込み、心の奥に棘のように刺さり続ける。
相手は次第に疲弊し、ストレスを抱え、無意識のうちに自分を削っていく。

「気づいたときには、もう逃げ場がない。」

ストレスを金でごまかす者もいる。
酒、タバコ、ギャンブル――
そのすべてが、老後の生活をじわじわと侵食する。

「今は大したことないって思ってるでしょうね。でも、いいの。焦らない。」

私の狙いは、もっと先だ。

「死に際にふと思い出すんです。
あのときの小さな違和感の数々を。
私という存在を。
力の入らない顎で、最後の歯ぎしりをしてくれたら、それで満足。」

そこに声も怒りもいらない。
あるのは、静かな勝利。

「それが、私の流儀です。」