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ひかえめのポンコツ

ヨメサンダー

[ヨメサンダー]

キャラID
: LD586-982
種 族
: プクリポ
性 別
: 女
職 業
: レンジャー
レベル
: 136

ライブカメラ画像

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ヨメサンダーの冒険日誌

2025-07-25 22:38:59.0 テーマ:コロシアム

さとみの憂鬱

私の名前はさとみ。
高校を卒業し、春から社会人になったばかりだ。
今は父と二人で暮らしている。
母とは――もう一緒には住めなかった。

それは、ほんの些細なきっかけだった。
中学生のある日、どうしても欲しいものがあって、母にねだった。
その瞬間、母がこちらに向けた視線――
あの、得体の知れない、薄暗く、冷たい目。
言葉にはしなかったけれど、まるで「私もずっと我慢してるのに…」とでも言いたげな、怨念めいた圧。

怒っていたわけでも、泣いていたわけでもない。
それなのに、私は本能的に「これ以上踏み込んではいけない」と悟った。
以来、母には本当に欲しいものや夢を打ち明けられなくなった。

そのくせ、ちょっとしたわがままはあっさりと通る。
「お菓子買っていい?」とか「友達と寄り道していい?」なんて、そんな程度なら、笑顔でうなずいてくれる。
あのときの不気味さはどこへ行ったのかと思うほどに。

それでも私は怖かった。
どこに境界線があるのか、わからないまま日々を過ごした。
まるで地雷原の上を裸足で歩いているような、そんな息苦しさ。

そして、あの家族も静かに壊れた。
私が高校を卒業する頃、両親は離婚した。
理由は聞いていない。母からも、父からも。
でも私は迷わなかった。迷えなかった。
“あの視線”の奥にあるものが怖くて、母と一緒に暮らす気にはどうしてもなれなかったのだ。

今、父と二人、穏やかな生活を送っている。
派手ではないけれど、安心できる日々だ。
それでも、夜、ふとした瞬間に――
あのときの母の目が、夢に出てくることがある。

鏡に映る自分の目に、その片鱗を見つけるたび、
私はまた少しだけ、母に似ていくのかもしれないと思う。
それが怖いと感じる自分も、また私だ。
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