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トロける5000年

ワッサンボン

[ワッサンボン]

キャラID
: XG969-178
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 武闘家
レベル
: 122

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ワッサンボンの冒険日誌

2020-03-08 15:30:49.0 2020-03-09 00:07:00.0テーマ:その他

甘々の冒険者達『28話・冒険者の酒場にて』(DQX二次創作)

DQX及び蒼天のソウラの二次創作。
独自解釈、設定等有りますので注意です。
登場キャラクターも私が妄想して描写しているだけですからね!

◆◆28話 冒険者の酒場にて◆◆

 一口に冒険者といっても、その実情は多種多様だ。
 ロマンを求める者、名誉を、金銭を、真実を、復讐を、スリルを、希少品を!
 その目的はあまりに多い。

 当然その活動も千差万別。
 誰にも知られる者達がいる。
 顔も名前も秘された者達もいる。
 中には噂の尾ひれだけが独り歩きし、実在しなかったなんてお話すらもある。

 そんな奴らを探すとするなら、とりあえず行くところは一つだ。
 冒険者の酒場。

 奇人変人荒くれ野郎、美男美女までが多数訪れ、情報交換や時には旅の仲間を募るその場所は、意外と様々な街に存在し人々の生活を支えている。

 グレン、ジュレットの酒場で聞き込みを続けたスウィ~ト達は、オルフェアの町にある冒険者の酒場『踊る野兎亭』のテーブル席に腰を落ち着けていた。

 年月が醸し出すオーク材の濃い色味が美しいテーブルには、女将が厳選した蜂蜜酒。
 喉を潤せば強い甘みが疲れを癒していく。

「本格的な古典派のミード…これを…この値段で!?」
「あー、この甘さは蕩けるわぁ~」
 アイシスがびっくり眼になる横で、スウィ~トが頬をとろんと緩ませていく。

「ここにはそのミード目当てのお客さんも多いから。でなんだっけ? 竜の卵を追いかけた冒険者の話?」

 こんがりキツネ色に焼き目のついた兎肉のソテーに、食欲をくすぐるマスタードソースが使われた一皿をテーブルに乗せて、そのプクリポは聞き返す。

「ポルリオンとバーウェン。まめたは古今東西の冒険者の活躍…詳しいと聞いた」

 つぶらな瞳と鮮烈な赤毛のウェイター兼料理人は、この辺りでは少しばかり有名だった。
 料理の腕もさることながら、冒険者の夜会を開いては様々な冒険譚を語り合い、時には忘れ去られたような、古い冒険の記録すら、話のネタに上らせるのだ。

「竜の卵にまつわる冒険者は意外と多いよ。少し前だとベコン渓谷に竜の卵なんて話もあったね」
「あー、超絶美少女が生まれたとか噂を聞いたなあ」
「えっ。三つ首のヤバいホネホネドラゴンが封じられてたんじゃなかったっけ?」

 まめたの一言に常連達がやいのやいのと乗ってくると、カウンターの奥で女将のモニカもニカリと笑う。
 彼が提供するのは舌鼓を打つ料理だけではない。
 この和気あいあいとした雰囲気作りも女将がまめたを買っている点の一つだ。

「まったく、それはソウラ達のパーティだから違う話だよ。彼らが探してるのは…ふむ、ポルリオンか」
 とんとんとリズムを刻むようにつま先で床を鳴らし腕を組む。

 酒場の住み込みの傍ら芸の道を歩む彼は、一片の冒険譚すら逃さないと、頭の中にしまい込んだ分厚いネタ帳をバババッとめくって十数秒。

「二十年か三十年くらい前に、そんな冒険者達がいたと聞いた覚えがあるね。うん、思い出してきた」

 ポルリオン。どこか浮世離れした男女と共に冒険を繰り広げた人物。
 もともとは料理人として冒険者に材料の調達を頼む立場だったのだが、いつの間にか自分で採りに出かけるようになったのだと言う。

「それで彼らは竜の卵を見つけられたの?」
「僕の知る限りでは答えはいいえだね。五大陸のドラゴン種を色々と追っていたみたいだけれど」
「満足…できるモノ、なかった?」

 彼らが目指していた物を考えれば、ただのドラゴン種の卵では納得しないだろうとアイシスも確信していた。

「むー。じゃあ一体どんな竜の卵を目指してたんだろう」
「竜王だろ!」
「太古龍とかのがロマンあるんじゃね?」
「ゴールデンキングリザードとか見てみたいよねぇ」

 スウィ~トの呟きに、常連客達から口々に伝説の竜の名が挙がるが、有名であればあるほど具体的な目的地が見えてこない。

「現実的に考えるなら、おそらくレンダーシアに渡ったんじゃないかな。あの地には飛竜の住まうドラクロン山地があるからね」

 ただ今はレンダーシアへの渡航は魔瘴に阻まれており、定期便であるグランドタイタス号も故障中で行き来が断絶している状態だと、まめたは解説する。

「あー、それなー」
 すっかりレンダーシア産の菓子にもとんとご無沙汰になりつつあるスウィ~トは大きなため息を吐き出すしかない。

「いや、そうとも限らないぞ。近々グランドタイタス号が出航するかもだってさ!」
「おや、ユルさんいらっしゃい」

 何気なく入って来たユルと呼ばれたウェディの青年は、前置きもなくスウィ~ト達のテーブルの端を掴んで、にっかりと笑って言い放ったのだった。

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