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トロける5000年

ワッサンボン

[ワッサンボン]

キャラID
: XG969-178
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 武闘家
レベル
: 122

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ワッサンボンの冒険日誌

2020-05-03 22:05:13.0 テーマ:その他

甘々の冒険者達『36話・ミッション継続中』(DQX二次創作)

DQX及び蒼天のソウラの二次創作です。
設定や登場人物の言動など、私個人の妄想の部分が含まれます。
公式やキャラクターのプレイヤー様とは無関係ですのでご注意を。
特にプレイヤーキャラクター関連にて、問題ありましたらご一報ください。
修正や削除対応させていただきます。



◆◆36話 ミッション継続中◆◆


 勢いよく飛び出したピンク色の菓子袋。

 そう、皆様ご存知のざらめである!!

「なっ・・っ!?!?!」
「むぅっ・・・・!?!?!」

 突然の登場に叫び声をあげようとした偽商人ナラム達の口がパクパクと上下する。

 らっらら~ん♪

 飛び出した勢いもそのままに、ざらめがリズミカルに揺れるのはブレスや呪文を封じる摩訶不思議な踊りだ。
 武器を預かったことに油断していたナラム達は、その虚を突かれてスウィ~ト達に取り押さえられる。

「ふう、体術の訓練やってよかった~」
 ふん縛った二人に猿轡をかませるとスウィ~トはダメ押しとばかりに上位導眠呪文、ラリホーマをかけておく。
 深い眠りに落ちたのを確認して、ざらめにはナイスダンスと称賛を送って撫でてあげる。

 かつて踊りの道に拒否反応を示した自分が、素直な気持ちでそう言えた事に気づくと、自分達の関係は本当の信頼で結ばれたのかもと、場違いにも感動する。

 ら?
「なんでもないよ。で、そっちは?」

 問われたアイシスはそっと扉を開き応接室の外を窺っている。
 特に見張りもなく、駆けつけてくる足音もないようで、背中を向けたままビシっと親指を立てている。

 案外気分は物語の中の工作員や諜報員になりきっているのかもしれない。
 実際にそういう冒険者達もいるらしいと、噂で聞いたこともある。

 いや、それを言ったら僕もなんだけどねー。
 いつもとは全然違うクエストに、抑えきれない高揚感が沸き上がるのを深呼吸で落ち着けて、二人と一匹は応接室を抜け出した。




「剣士様というのも大変ですね。お客用のお茶菓子は上物だったんですよ」
 見張りとして残されたダグが、場を持たせようとラズの後を追いながら語り掛けてくる。

 もともと強請や恐喝、詐欺を働く小悪党であることを百も承知のラズにとって、どこかへりくだった態度もすべてが薄っぺらくてみえみえであり、あまり気分の良いものではない。
 何気なく庭を歩くふりをしつつ、屋敷の窓からの死角へと歩を進めて、行動を起こす事に決める。

「大切にしてるようですしその剣もさぞかし大層な一品なんでしょねぇ」
 ダグの方はそんな事はお構いなしに口を回すが、急に振り返ったラズがにこやかに微笑み、その美しさに一瞬呆けてしまう。

「別に剣は大切にしてないのよねぇ。こんな風に、ね♪」
 とラズは突然自身の剣を鞘ごと投げ渡す。

 うわっととと!? 急展開に思考が追い付かず慌ててそれを受け止めるダグの手の中で、剣だったものは杖へと姿を変えたかと思うと、加速度的に重量を増す。

「なななぁっ」
 耐えきれず前のめりに倒れ込み、慌てて杖を手放すがもはや立ち上がる事も出来ない。
 ここにきてやっと杖が重くなったわけではないと気付く。

 視線を上げれば、先ほどまでの野性味あふれる剣士は姿を消し技術者のゴーグル付き帽子を目深にかぶった女が、小さく呪文を唱えていた。

「ヘナトスのアレンジなんだけど…ヤバい効き目でしょ? 効果範囲がとっても狭いから手足に一つずつかかってるのよ」
 屈みこんだ女から自分の状態を説明されてダグは戦慄する。

 呪文の名前には聞き覚えがあった。確か攻撃能力を下げるものだったはずだが、もはや肉体の一部を仮死状態にでもされたかのようだ。

「な、なんのつもりだ」
 精一杯の虚勢を張ってどすの利いた声を出すが、もちろんラズは涼しい顔だ。

「犯罪一つ一つにあれこれ言う立場じゃないから単純明快に言うわ。サマベルは私がもらう。素直に知ってる事を洗いざらい言ってくれたら、まあ、そこまで悪いようにはしないわ」

「あのばあさんの関係者かよ。だったらやめた方がいいぜ…。こっちはばあさんの孫の方も抑えてる。もちろん別の場所だから…っ!?」
 にやりと笑ってぺらぺらと喋るダグの口元を短剣の刃が掠める。
 音もなく地面に刺さる刃の輝きがその鋭利さを物語っていた。

「そっちの方は至極簡単。うちの仲間達はもう仕事を終えてる頃だからね。ばあちゃんの娘夫婦もお孫さんも堅気だってのに…本当にどうしょうもないわよねアンタ達」
 微塵も動揺するそぶりのないラズの言葉にダグは完全に追い詰められる。

「お、おれはここじゃあ新入りだ。たいしたことは知らねえ…」
「はいはい。それじゃ手短にね」
 観念したダグにラズは素敵な近所のお姉さんのような、優しい笑みを見せるのだった。


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