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トロける5000年

ワッサンボン

[ワッサンボン]

キャラID
: XG969-178
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 武闘家
レベル
: 122

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ワッサンボンの冒険日誌

2021-04-25 23:34:17.0 テーマ:その他

甘々の冒険者達『86話・クエストの終わり。そして』(DQX二次創作)

DQXの二次創作小説。漫画、蒼天のソウラ要素もあります。
独自解釈等が含まれます。
登場キャラクターの言動や設定も私の妄想です。

1話は2019/06/23の日誌から日曜更新。


◆◆86話 クエストの終わり。そして◆◆


 長い夜が明けた。
 無事の帰還に驚くロォーンドラゴンにまた来るからねと告げる。
 そうしてドラクロン山地に住む決意を胸に、冒険者達は一度山を下りたのだった。




「え? ドラクロン山地の秘められた領域に家を建てる!? すぐそばに伝説級のドラゴンもいるの?」
「あー、ちょうどそういうのに向いている建築士の方を我々は知ってますねぇ」
「呼んだかい先生、なんか面白そうな話をしているじゃないか」
 イヤホンマイクを付けたサンダル履きのプクリポ女性が驚くと、合成魔法の使い手が柔らかに笑い、バンダナの男が駆けてくる。


「ソイヤー豆? うちの蔵書は結構すごいらしいから情報あるといいねー」
「こちらがアイシスさん? 依頼の件ではご助力ありがとうございました。なるほど古文書の閲覧に……ミャジ、ちゃんと閲覧手続きはしておいてくださいね」
「うう、相変わらずしっかり者だなぁ。はーい」
 二人のウェディ女子はとても対照的だ。


「えーそんな険しい所なの!」
「そうなりますと生活用品などの手筈は?」
「ちょうどレンダーシア方面での活動も広げるところじゃい。宣伝にもなるから雷神会が請け負おう!」
 愛娘とその友人となったプラコン女性の問いかけに答えたのは、サングラスを光らせた逞しきオーガ男性。


「新しいドラゴンの話を広めたい? それなら断然英雄譚でしょ! なんならあたしを主役にしてもいいわよ!」
「いやいや、さっきの話聞いてた? そんな十代前半好みの血沸き肉躍るやつじゃないでしょ」
「マユミは絵本とかいいと思うよ! ちっちゃな頃から親しめるやつ!」
 久々に出会った未来の大英雄と黒白の妖精達は元気いっぱいだ。


「竜と人がお菓子を作る絵本を作りたいとのことです。氏はレビューのみならず新たな創作にも挑戦すると申しています」
「ぷぎっ!」
「ふーん。まあ出来が良ければ販路をつかわせてあげなくもないですわよ」
 一分の隙もない執事と絵本と聞いて楽し気な愛くるしい護衛。二人を伴って商才眩い淑女は僅かな縁を頼って来た冒険者達に時間を割いてくれた。


「まさかゼルメアでお会いするとは思わなかったです」
「うん、私も。こんど引っ越し先の地主?に実力を示す必要が出来て、装備…見直し中」
「噂聞いています。ドラクロン山地でしたっけ? え、じゃあ地主って飛竜なんじゃ?」
「うん。ユルール達、油断大敵って……」
「こちらはリュウガの知り合いなのか? もしよければ探索のパーティに加わって貰えないだろうか」
「では回復はま~かっせたまえ諸君! フハハハハハ」
 アレスと名乗ったエルフの提案に乗って、香水薫る紳士を含めた四人でアイシスは武具を求め迷宮を下る。


「時間かけようなんてリモリモ、一大決心だったじゃん!」
「そうね。その時点だとドラクロン山地も塗り替えられちゃう可能性が高かったわよねぇ」
「迷いはあったわ。結果としてその心配はなくなってしまったけれど……」
「ゆるるん達マジやばすぎー」
「き、気持ちを切り替えるどリモニーザお嬢様!」
 魔界を故郷とする者達が時代の変化を乗り越えていく。


「当事者の方に会えるとは思いませんでした!」
「第四次調査の最中だったんだが、ついに噂のスウィ~トスター☆に会えたな。よろしくマージンだ」
「実は親しくしている冒険者の何人かからも話を聞いていた。よければ協力を頼みたい」
 改めて蜂蜜を買い出しに行くと思わぬ出会いがあった。


 時には共に、時には別々に日々が過ぎ去っていく。


「今度は二週間ぶり?」
「かな? リモの合流はもう少し遅れるって」
 らーっと笑って挨拶するざらめを抱いたスウィ~トが振り返る。

「そっか。私達のドラゴンクエスト、まだまだやる事、いっぱいだ……」
「んー、もうクエストは終わったかなぁ」
 夕暮れに目を細めて呟く言葉にアイシスが仰天する。道はまだ半ばだ。
 
 するとドワーフの大きな顔がにーっと笑う。
「ここからは竜と共に理想を追って人生を謳歌してゆく。さしずめドラゴンライフの始まりって感じかな♪」

 とうとう自分達の旅は探求ですらなくなったのか。
 呆れたような楽しいような緩やかな空気に包まれてアイシスも笑う。
「もういっそ……私も素敵な旦那様を見つけてきて、この地に村を興しちゃう?」
「いいね! これ以上ないほどライフだよそれ!!」

 笑い合う二人の姿を見つめるざらめの顔は、お菓子を貰った子供のように満足げだった。
 甘々の冒険者達 Fin
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