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トロける5000年

ワッサンボン

[ワッサンボン]

キャラID
: XG969-178
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 武闘家
レベル
: 122

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写真コンテスト

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ワッサンボンの冒険日誌

2021-05-08 23:08:43.0 テーマ:その他

『蒼天のソウラ』謎の戦士団ネタ。─届ける─

『蒼天のソウラ』謎の戦士団ネタ。

 DQX、蒼天のソウラの二次創作です。
 なのでネタバレもありえます。

 登場しているバ―ジャックさんの
 キャラクター性、セリフ、心情等はすべて勝手に想像してます。

◆◆◆届ける◆◆◆


「ああ……あっぁ……」
 ついに膝を折り、堪えきれない嗚咽が漏れる。
 ギュッと閉じられた瞳からは止めようのない涙があふれていく。
 そのまま一つになれと言わんばかりに強く抱きしめるのは一振りの短剣。

 自分達の……。真の太陽《ヴェリタ・ソルレ》の戦友チャビルの物だった。


「すいません。お見苦しい所を……カチャパ。お母さん大丈夫だからね」
 母親の泣き声に驚いてすっとんできた幼い一人息子は、埋めた顔をそのままにいやいやと首を振っている。

「無理からぬことです。幾度も助けてもらったボクも、未だ信じたくはない事ですから」
「その深い悲しみに負けぬぐらい。家族の事を愛していた男でした。家族を持つことの素晴らしさをよく教えてくれましたよ」
 遺品を届けに来たドワーフとウェディの男達は、静かにゆっくりと言葉をかける。

「よく届けてくださいました。とにかくどうぞお上がりください。長旅だったでしょうに」
 子供の頭を撫でながら涙を拭って言う姿に訪ねてきたドワーフは逡巡する。家族だけが共有する特別な悲しみの邪魔をする事にはならないだろうかと。

「お言葉に甘えようワッサン」
 こんな時でもなければサングラスを外さないウェディの視線が、ワッサンにその意図を悟らせる。
 戦友の妻の指先は震えていた。訪問者達である自分達の前だからこそ気を張り続けていられるのだろう。

「そうだね。お答えできることや語れることがあるかもしれませんし、失礼いたします」
「はい。この子にも夫の話をしてあげてください」
 気丈にも笑顔を見せてチャビルの妻ササハは、客人を迎え入れたのだった。


 稲妻のチャビルは凄腕の短剣使いだった。
 元来ドワーフは手先が器用な種族とのイメージが定着しているが、チャビルはその中でも群を抜いていた。
 無から有が生み出されるようにその手に短剣が現れた。
 その剣筋は変幻自在であり、一度放てば雷の如く敵を貫く。
 彼の短剣、いや稲妻は幾度となく戦場を飛び仲間の危機を救ったものだ。

「チャビルはな、いつだって仲間の事を見てたんだ。守れるようにってな! 本当にナイスガイだったんだぜ」
 訃報を届けた者としては相応しくない程に明るくノリのいいウェディの……バージャックの語りは彼本来のそれであった。

 ササハの求めに応じて幾つもの父の活躍を聞かせる異種族の青年に、カチャパは真ん丸な栗色の瞳を輝かせながら聞き入っている。


「今もあなた達の事を見守っていると思います。あいつならきっと」
 衝立を一枚隔てた炊事場の水桶でカチャカチャと皿を洗うササハと、その横でそれを拭いていたワッサンはぽつりと漏らす。

 慰めにはきっとならないのだろう。帰ってくることが出来なかった事実の重みは彼のどんな善行でも、活躍でもつり合いがとれるものではない。
 遺された家族にとっては。

「ありがとうございます」
 それでも礼を言うササハの表情には戦士のそれに似た覚悟が宿り始めているように見えた。
 さらりと流れる炎のような赤い髪がその印象をより際立たせて、続く言葉が出てこなくなる。

「夫の最期は……どのようなものだったのでしょう」
 再び続いた沈黙を破ったのはササハの方であった。

「追い詰められた若い仲間を助けようとして……共に敵首魁の手によって」
 ヴェリタ・ソルレの団長であったシャクラは味方の損害を減らすために様々な手をうってはいたが、長い戦いの中で犠牲者は決して少なくはなかった。

「その敵首魁は、どうなったのでしょう」
 皿を洗う手が止まっていた。彼女は今まさに戦っていた。
 真実を受け止め、悲しみと怒りを間違えずに受け止めようと。

「副団長が手傷を追わせ、団長のシャクラが相打つ形で仇を」
 ワッサンの知るシャクラがあの決戦に仇討ちを持ち込んだとの確信はなかった。
 だが残された者のために、そういう一面を持ってもらう。
 勝手に先に逝ったからには、そのくらいの仕事はしてもらうぞと心中で宣言する。

「そう、ですか。でしたらもう……前を向くしかありませんね」
 一方でササハも夫の戦死という事実に対峙したようだった。

「夫の分もカチャパをしっかり守り育てていかないとです」
 天井を見上げて誓うように言うその姿は、深くワッサンの心に残るのだった。
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