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トロける5000年

ワッサンボン

[ワッサンボン]

キャラID
: XG969-178
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 武闘家
レベル
: 122

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ワッサンボンの冒険日誌

2022-09-11 23:00:05.0 テーマ:その他

Neco Roman She【21】


蒼天のソウラを含む二次創作です。
独自解釈、設定の齟齬、改変を含むものですのでご注意ください。
登場するキャラクターの言動は私の妄想であり公認ではありません。


◆◆ホロナPT(3)+α◆◆



「手伝わなかったの悪かったかもなー」
「そこは冷徹にいくぞなもし。信じるに足る実力が見て取れたのは確か。ならばタイミング的にもここはさらなる情報を得るべきぞな」
「そういう所、フルっちもフッキ―っぽいよな。どっちもフからだし」
 子供のような事を言うマージンだが、自分の尾行術に後れを取らないのはさすがだった。
 フルートは今一度ハンドサインに切り替えて、尾行の距離を詰めて調整すると指示を出す。

 追っているのはもちろんシャモドッキとガルバだった。
 偽依頼主の正体を独自に追っていた二人はロマン達の戦闘に遭遇、別の冒険者達の仕事ぶりを信頼して為すべきことを切り替えたのだ。


 そのような動きを知る由もないホロナ達は駆けつけたグレンの兵達に事情を明かす。
 キョロを保護してもらい。捕らえたゴルバはグレン城の地下牢へと移される。
 もっともロスウィードがヴェリナードの魔法戦士団を通じて融通を聞かせてくれたので、ホロナ達が直接取り調べを行う事は許された。
 武器を預かると言われて言い争いから喧嘩になりかけたリベリオを除いて。

「あのデカいのがいないと貧相な顔ぶれだな」
 後ろ手に縛られてオーガ族用の大きな椅子に座らされたゴルバの悪態に、鉄格子の向こうの屈強なオーガ兵士がぎろりと視線を向けるのが見えた。

「こちらのお嬢さんにやられたやつの台詞じゃないでヤンス」
「あんなのはまぐれっ……くそっ」
 ミャルジの言葉に反論しかけたが、結局は負け惜しみでしかない。もはや死を待つ身でみっともなく騒ぐ気分にはならなかった。

「ふん。俺を処刑したところでおまえ達はどうにもならん。ペゴワッド様は必ず我らの威光を取り戻し、栄えある戦列に加わる! その時はこの国ごと冒険者など血の海に沈むのだ」
「なんか随分大きなことを言い出したでヤンスね」
「ほう、一連の誘拐がいったいどう関わるのかじっくり聞かせてもらおうじゃないか!」
 どすんと対面に腰を下ろしたマロンの後ろで、ホロナは固唾を飲む。

「ふん、これ以上言う事はない」
「それでは困るでヤンス。リュナンをどこにやったか教えるでヤンス」
 そっぽを向いたゴルバはそのまま黙り込む。

「あの、リュナンさんって結構な魔法使いなんですよね? 猫島にもリベリオさんや戦える猫の魔物さんもいて……結構大きな戦いだったんじゃ?」
 ホロナが遠慮がちに口にする疑問に、その通りだったと応じるミャルジ。

「でも、今は戦えない人ばかりを選んで誘拐してる。リュナンさんを攫うのはリスクが大きくてもする必要があった?」
「つまりなにがなんでも必要だって事だな? 実力のある魔法使いってのは聞いたが、リュナンには特別な何かがあるってのかい?」
 素朴なホロナの疑問を継いで水を向けられたミャルジがにゃぁ!?っと声を上げる。

「そう言えばマンマー様がリュナンはすっごい奥義だか秘術だかを授ける事が出来るお方だって言ってたでヤンス!」
 一瞬ゴルバの三つの目がぎょろぎょろと動くのをロマンは見逃さない。

「つまりペゴワッド様ってのの計画、その大黒柱がリュナンの秘術ってことだな」
「何だか……恐ろしい気配がしますね」
 ホロナの言葉にロマンも無言で頷く。時間は限られているのかもしれない。
 すでに沈黙を貫くことを決めたらしきゴルバは身じろぎもしなくなっていた。
 これ以上の尋問はグレンの兵や派遣されるであろう魔法戦士団に任せて、ホロナ達は牢を後にする。

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