(左)はな「あまの御姉さまの家を徘徊していたゴブリンを捕まえました事よ♪」
(右)リリィ「まぁ~♪ 大きなゴブリンさんですね^^」
わし「………」
……何故、こんな事になってしまったのか?
それを説明するにはまず、少々時間を遡らなければなりませぬ。
~朝の出来事~
わしはいつもの様に清々しい朝を満喫して起きると、郵便ポストにハロウィンイベントのチラシが入っている事に気付いたんですぞ。
ハロウィンとは子供たちがモンスターに変装して大人達からお菓子を貰うイベントとして有名ですよな。
わし「ほう……今年も遂にこの時期が来たという事ですな」
わしはそう呟くと早速、イベントの準備を致しました。
実はハロウィンについてずっと思ってた事がありましてな……ドワーフならではのチャーミングな体系とこの容姿ならば、わざわざ変装しなくてもハロウィンが成立してしまうのではないか?
それはつまり、もしかしてわしがお菓子を独占できるチョロイイベントと言う事……!?
わしは高鳴る胸を抑えつつ、早速作戦を開始致しました。
―――
イベントと言えば、まずは雰囲気作りが大事、いや、基本! と言っても過言ではありませぬよな。
というわけでハロウィンにピッタリな魔女の森へとやってきてました。
今は追加クエストも増えており、人通りも多い、まさに打って付けの場所!!
そして魔女の森で張り込む事、1分。
ほいほいと獲物達がやって来られました。
そこでボッキュンボンなスタイルのオーガの女性に的を絞ったわしは早速ファーストアタックを仕掛けました。
どうやら、魔女の森が怖かったのか、泣いているご様子。
ここは紳士らしく、大人の対応で攻めてみる事にしましたぞ。
わし「ふふっ、お嬢さん、何かお困りの様ですな。お菓子をくれれば出口までご案内致しますぞ?」
完璧な言い回し、そして溢れ出る紳士オーラ。
わしはこの時、確信致しました。
わし(ふっ、わしに掛かればこの程度の事、御茶の子さいさいですな)ニヤリ
ボッキュンボン「きゃぁぁあ!! ゴブリンー!!」
しかし現実は違っておりました……。
まるでゴキブリでも見つけたのかの如く、怒涛の足踏み!?
この後、容赦ない攻撃により教会送りにされたフェルームであった……。
―――
これをキッカケに知らない人にお菓子を貰いに行くのは危険だと悟ったわしは、同じチームメンバーに狙いを定める事にしたんですな。
そして同じチームメンバーのあまの宅に物乞いに行った物の、本人は不在……。
このまま手ぶらでは、わしも帰れぬと思い、家の中の物色をしていた所。
はな「そこで何やってるんですかっ!?」
わし「!! しまった! 伏兵がおりましたか!?」
慌てたわしは、急いで家から脱出しようとすると。
はな「逃がしませんよ! *ポチッ!*」
はな殿が何か赤いスイッチを押すと、家の中からサイレン音が……。
わし「ま、まさかそれはセ○ムのセキュリティー装置!?」
そして迂闊にも防犯用のセキュリティー装置に掴まったわしは、あのカプセルの中へと隔離されてしまった理由ですな。
はな「あまの御姉さまの家を徘徊していたゴブリンを捕まえました事よ♪」
リリィ「まぁ~♪ 大きなゴブリンさんですね^^」
(同じチームメンバーなのにゴブリン扱い……)
はな「あれ……? よく見ると……フェルさん!?」
(よく見ないと分からんのかいっ!)
こうして無事、ゴブリン疑惑から解放されたわしは、あまの宅に集まってきていたチームメンバーと記念撮影をする事に。
折角なので、最近スタンプコンプリートの景品に追加された、手を繋ぐ仕草をやってみようかと思い、周りに促す様に率先して、手を繋ぐ仕草をやってみたんですな。
(これで、ほのぼのとした素敵な写真が撮れるに違いありませぬ!)
―しかし現実は……。
見事なスルーでありました。
(わしと手を繋ぎたいと思う者は、このチームにおらぬのか!?)
満面の笑みを浮かべているだけにとても切ない写真へと変貌致しました……。
そんなこんなしてると、この家の持ち主であるあまの殿(真ん中のお魚さん)も合流し、もう一度記念撮影へ!
こうして今日も、進撃のミドゲット達の夜は更けて行くのでありました。