ドラゴンクエストⅩのサービス開始初日、
見よう見真似でジュレットの町を目指し、
丸裸の私に襲いかかってきた敵が、この【ポイズンリザード】でした。
ダメージを与えられず、逃げる猶予すら貰えず、初めて教会に強制送還された日の事は今でも覚えています(事実、殺されたショックで15LV近くなるまでレーナム緑野から出られませんでした)。
再戦を申し込んだのは30LV近くなった頃でしょうか。
界隈ではトンブレロやピンクモーモン、ベンガルクーンやぐんたいガニなどが流行し、狩り場は混雑必至でした。
私はプレイヤー同士でモンスターを取り合うのが嫌いだったので、あちこちアストルティアを駆け回りながら、自分に合った敵を探していました。「こいつじゃない…」、「私が探しているのはもっと…」と、とにかく必死に。
そしてようやく出会えた相性の良い敵が、これまた偶然にも【ポイズンリザード】だったのです。
一体沸きで経験値はそれほど高くないですが、即沸きポイントがあり、人も決して多くはない。何より憎たらしいと思っていたあの顔が、どこが愛くるしく思えるようになっていました。
それはレベルが上がった故の余裕からなのか、はたまた『昨日の敵は今日の友』というように、少しずつ彼に対する感情も変わっていったのかもしれません。
経験値やHPなどを修正されるまでに倒した数は【30434匹】。1回の戦闘で1体しか出ないため、単純計算で【30434回】アタックをし続けたことになります。
私自身も猛烈なアタックを続けていく度、「あれ…もしかして…」と思うようになっていました。レベルを上げる為にアタックしていたはずなのに、暇な時は自然と出向いてしまう。……そう。いわゆる、恋というやつです。
そしてとうとう、【30435回目】のアタックで、私は思いのたけをぶつけました。
ポイズンリザードは……快諾してくれました。
出会い方こそ最低なものでしたが、もしかしたら始めてを奪われたあの日から、私と【ポイズンリザード】は運命の赤い糸で結ばれていたのかもしれません。
出会いから1年以上が経った今も、ラブラブです☆