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負けずぎらい

シルファー

[シルファー]

キャラID
: PM604-476
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 海賊
レベル
: 130

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シルファーの冒険日誌

2015-08-10 01:16:11.0 テーマ:その他

シルファー外伝・闇の騎士と聖地の絆・第1話後編【冒険者と優しきまもの】

バシルーラ。
魔力を込めた目的を指定の場所へ飛ばす移動魔法。

それを今は、老師が最後の手段として、ゼルドラド退却のために使用したのである。

老師(命を賭けるに値する・・・か)

もはや言葉も出ない。視界も見えない。魂は燃え尽きた。








だからこそ気づかなかったのだろう。


駆け付けた青年ユキが、【ユキだけが】、その光景に気づいていたことに・・・。











【現在】


言葉を話すまもの。
それはこの世界での存在はゼロではないが、種類をしぼるとなれば、その貴重さは唯一無二に近いものがある。


だからこそユキは驚愕していた。
故郷シエラに帰ってきていた彼は、言葉も出ずにその場に立ち尽くしていた。




「久しぶりじゃのう」

そこにいないはずのまものが、そこにはいたのだ。

ユキ「どうして、あなたが・・・、確か2年前に・・・」

驚きは隠せなかったが、聞かずにはいられなかった。
この光景の真実を。
そしてこの老師がなにかの仕業であれば。そう思い、剣を構える仕草にも入ってしまう。だが。

老師「以前より成長したようじゃの。ユキ。見るだけでもわかるわい。」

自分の名前を知っていた。自分の力を見抜いてくれた。
疑心のかたわら、2度と会えないと思っていた老師に会えた喜びも、隠せるものではなかった。

だがそれでも真実は知りたい。終わらない葛藤の中、再びユキは口を開く。

ユキ「教えてください!どうしてここに!」

老師「ちょいとユキよ、お前さんに用があったんでの。」

ユキ「俺に?」

シルファーには・・・?と言いかけて自分の馬鹿さ加減に気づく。





2年前、ユキは老師の死を目の当たりにした時、シルファーを呼びに戻ることはしなかった。

シルファーが起きたその日の夜には、彼女は老師がいないことにすぐ気付いたが、【俺達のような冒険者に出会い、育てる旅】という嘘の話をして、今日まで過ごしてきた。
ユキのことを信頼していたのか、信じやすい性格なのか。彼女もユキを疑うことはなかった。
大切な仲間を偽ることに罪悪感を抱いたものの、それでもシルファーを、この事実に向き合わせたくなかったのだ。







老師「ワシにはわかっとるよ。シルファーを護りたいという想い。そのために強くなりたいという想いも。」

ユキ「老師・・・」

シルファーの名前も覚えているようであり、ますます本物である期待が膨らむ。
そんなユキを背にして、老師は話を続ける。

老師「っと、そうじゃった。お前に用というのはな・・・、ふうむ。ちょいとワシに触れてみい。」

どうも歯切れが悪いが、従ってみることにする。
たがその手は、老師の体をすり抜けてしまう。

ユキ「これは一体・・・」

老師「驚いたじゃろ?と言っても笑い事にはならんな。お前さんの思っているように、ワシの体は2年前に朽ち果てておるよ。じゃが、残留思念というやつかの。そいつが強すぎるおかげで、こうして魂だけは存在しておるようじゃ。」

ユキ「残留思念ということは・・・、この世になにか未練が?」

もはや疑うのを諦めたのか、完全に信じこんだのか、ユキは話に夢中になっていた。

老師「うむ、それはな・・・・」














 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




時を同じくして、ここはグレン住宅街




シルファー「寝てはいないと思うけどさ」


見当違いの場所に、その娘は立っていた。
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