目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

負けずぎらい

シルファー

[シルファー]

キャラID
: PM604-476
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 海賊
レベル
: 130

ライブカメラ画像

2D動画 静止画

写真コンテスト

{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 

シルファーの冒険日誌

2015-10-04 05:20:05.0 テーマ:その他

シルファー外伝・闇の騎士と聖地の絆・第3話中編【深海と太陽】


【老師は俺が殺した】
目の前に立つ青年ユキは、たしかにそう言った。
隠しても仕方ないのだが、今まで自分が所有してきた情報とあまりにも違うその言葉に、シルファーは動揺を隠せない。

そしてその青年ユキの、支配された体のわずかに残る【ユキ自身】が、体の奥底で声をあげている。

ユキ「お前、老師じゃないな。誰が化けている!目的はなんなんだ!」

体の中に本当の自分が押し込まれたようなものであり、当然シルファーには届いていない。が、ユキは支配に押し潰されそうなのを必死にこらえ、なんらかの返答を待つ。
だが、その返答は返ってこない。

ユキ(せめてひとこと、シルファーに届けば・・・)
その期待を込めつつ、支配に負けじと力を集中する。


そうこうしている間にも、目の前のシルファーは不安な顔でこちらを見つめていた。

シル「あまり疑いたくもないしさ、もう一度だけ聞くよ」

勇気を振り絞り、最後の望みを次の質問に託す。
シル(バカで、楽天家だけど、私より強くて、努力も一緒にしてきて・・・)
シル「嘘なんかつく奴じゃないでしょ!本当のことだけ話して!」

真っ直ぐに向けられた視線。それすら不安にギリギリ耐えていただけなのか、すぐさま泣きそうになってしまう。




ユキ『目障りなんだよな』

シル「え・・・」

予想だにしない言葉に、シルファーは体を地に崩してしまう。
先刻から積み重なるように、【信頼してきた男】の悲痛な言葉が、シルファーに次々と襲いかかる。

ユキ『お前は俺より弱い。だがお前は付きまとう。』

まるで憎い人間でも見るかのように、男の顔は変わっていく。

ユキ『だから2年前から計画してたんだ。【アイツ】をやっちまえば、シルファー、お前は立ち直れなくなるだろう。もちろん俺が陰で、だ。そうすりゃあ意気消沈したお前はようやく俺の側を離れる。』

違っていた。
もはや何も考えたくなかったが、やはり思ってしまう。
【ユキはそんなこと言わなかった】と。

ユキ『だがそれじゃあぬるい!』

張り上げる声にも、膝を曲げて座り込むシルファーには、もはや動じる余裕すらない。


ユキ『俺を信頼してきたお前は、それでも立ち上がりついてくる可能性があった。』

相手を卑下する目、更には口元には笑みすら浮かび始める。

ユキ『だからこその今だ!世界各地を旅するなんて適当な嘘で騙して、そして2年たった今!積み重ねた記憶、俺への信頼は一気に崩れ去る!抵抗するならしてみろよ。』

言葉にしなくても結果は明らかであるが、あえて男はそれを口から発することで、少女を突き放す。
2度と自分のもとへ戻らぬように。


シル「違うよ・・・。違う・・・もん・・。」

座り込む地面に無数の涙がこぼれ落ちる。
それは、もう戻らない日常の証と言わんばかりに、流れる涙に比例して、心は負の一本道を歩いていく。

シル「ユキは・・・嘘なんか、嘘なんか・・・」

絶対についたりしないんだ。

その言葉が、どうしても出てこない。

言葉を待たずに、男は踵を返し立ち去り始める。
当然そこに振り替える余地はなく。

シル「うっ、うぅっ・・・。」

絶えず聞こえる泣き声は、風と波の音ですら、かき消してはくれなかった。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




一瞬に、懸けた。


今を逃したら、チャンスはない。


役目は果たしたと、【支配する側】が安堵した今、この一瞬。



【意識の奥底】で、周りの様子なんて見えやしない。
だが、立ち去る今、安堵している今。


思わずがな、絶好の、そして唯一無二のチャンスだった。


ユキ「いつまでも大人しく従ってられるかよ!」

自身の全意識を研ぎ澄まし、最大限の力で。

ユキ「叫んだるわ」



ーー~~~ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







少女は、見送っていた。

顔を上げることすらままならない悲しみのなかで、見送ることしかできなかった。
追いかけても、きっともう・・・







【シルファァァァァァァァァァァッッ!!!またな!!】




シル「・・・えっ・・・」


去り行く背中は止まりはしない。

ならば何故聞こえたのか。今しがた自分との絆を絶ちきったばかりの男の声が。

幻聴か。それとも。
打ちのめされて立ち上がれない少女に、たしかにその声は届いていた。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ユキ「届いたかな・・・」

そんな心配をしながら、ユキは気づいてはいなかった。

今のユキの微かな抵抗に気づいた【支配側】が、望みとも言えるわずかな意識すら、飲み込もうとしていたことに。



『消えろ。少女同様、今は亡き老師にすがる哀れな者よ。』
いいね! 0 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる