【ナドラガ神のほこら】
シルファー「やっほー!」
???「早かったな。それで、思い出せたのかね?ワシの名を。」
シルファー「とっとっと、その前にね。」
???「どうした」
シルファー「いやさ、思い出したら呪いを解くっていうけど、やっぱり世の中、そんな殺伐としたもんじゃないって、心から信じてもらうために、とあるものを持参しました!」
???「ほう、それは一体なんだろうか。」
シルファー「それはねぇ・・・」
【自宅にて】
シルファー「これって・・・」
ゆき「どうなされましたか?」
シルファー「見てよこれ!」
ゆき「なんですか・・・、あっ!」
シルファー「日誌だよ、日誌!私のこの顔、すっごく楽しそう!それにさ、今さぁ!」
ゆき「・・・・・思い出されたんですね。」
シルファー「へっ、なんでわかんの?」
ゆき「だって、今のシルファー様、その日誌と同じ。とても楽しそうな顔をされていますから!」
【ナドラガ神のほこら】
シルファー「なんて言われちゃってさ。ほら、この日誌。やっぱりさ、どんな呪いをかけられても、こんな最高の記憶がしるしてあるんだもん。見た瞬間にすぐに思い出しちゃったよ・・・・・、ね。ドルイド。」
???「・・・・・」
シルファー「・・・・・」
ドルイド「いかにも。そして、ありがとう。約束だ、世界中の呪いを・・・」
シルファー「ちょっと待った!!」
ドルイド「?」
シルファー「そんな事務的に言わないでよ。最初に言ったじゃん。心から信じてもらいたいんだって。だから私の話を聞いて。」
ドルイド「・・・良いだろう。だがそれでワシが完全に改心するとは限らんぞ。」
シルファー「それでもいいよ。あのね、今回、私は日誌を見てドルイドを思い出せたけど、それって私に限ったことじゃないと思うんだ。」
ドルイド「・・・」
シルファー「今日あったことの興奮が冷めやまない。ずっと覚えておきたい!みんなとこの気持ちを共有してみたい!!そんな想いの塊が日誌なんだよ。」
ドルイド「想いを、記す・・・」
シルファー「うん。私だってもちろんそうだし、そして・・・」
シルファー「この世界中の冒険者たちだって、いろんな場所での活動や、もちろんこの影の谷での思い出だって、ワクワクしながら日誌にしるして、明日もまた楽しくなりますようにって!まあ、確証はないんだけど・・・、どうか、信じてほしい。モンスターは倒されるばかりかもしれないけど、それを楽しかった記憶として明日へ繋げる冒険者はたくさんいるって!」
ドルイド「・・・・・これからも」
シルファー「うん?」
ドルイド「これからも、ここで倒されていったドルイドたちの魂が、恨み、妬みを持つかもしれぬ。その度に、今回のような呪いをかける輩が増えるかもしれぬ。」
シルファー「えっ・・・」
ドルイド「だが、君が、そして君のような笑顔がこの場所にある限り・・・、ワシはそやつらに歯止めをかける役目を努めよう。」
シルファー「それじゃあっ!!」
ドルイド「信じよう。そして明日からも信じさせてくれ。ワシはこの影の谷ではじめて倒されたドルイドの魂。今までも、そしてこれからも、この影の谷を見守って行こう。」
シルファー「ありがとう。見ていてよ。ここを世界一活気のある狩場にしてみせるよ!」
ドルイド「フフッ・・・期待しているよ。」
【翌朝】
シルファー「今日もドルイドと遊んでくるー!!」
ゆき「またですかぁ・・・?あまり疲れすぎて、本来の冒険に支障をきたさないでくださいよ?」
シルファー「わかってるよ、もー!あ、そうだ、これ昨日帰り際に撮ったんだー!」
ゆき「えっ・・・・、あははっ!こんな写真撮るの、シルファー様だけですよっ!」
シルファー「えー?そうかなー!?」
おしまい?
【なんと】後編へ続く