光と闇、きのこのたけのこ、うどんとそば。
相反するものあらば、いずれは衝突するのも宿命と言えましょう。
いま、ここにも新たな二人が見つめ合い、互いに譲れぬ想いを今にもぶつけようと構えております!
左には赤い闘志。メラメラと燃えたぎります。
特筆すべきはその拳の破壊力。私は人と握手はできません。なぜなら軽く握っても相手を壊してしまうからだと、そう悲しげな瞳で言ったような、言わないような!
対するは飢えた群青の狼!その構えはすでに相手を捉えながらも、とりあえずフライングは駄目なんじゃないかと、変なところで真面目であります!
こちらの武器はなんといっても、その神速の足でございましょう!マラソン大会で友達に「一緒に走ろうね」と約束した次の瞬間、自分だけ1位でゴールしていました。友人は落胆よりも衝撃が勝ったとのことであります!
さあ一体この二人を睨み合わせる理由はなんなのでありましょうか!?
一秒ごとに、二人を包む空気が緊張感の中で静まり返っていきます。
さあ動いたぞ!
「なんでおせちの数の子ぜんぶ食べちゃったのよ!!!」
【そりゃあ皿に置いてあったんだから食っちまうしかないだろ!!】
おーっと!どうやら青い少女が狙っていた数の子を、赤い少女が食べてしまったようだ!
正月のめでたい日に、残り物が福ではなく引き金になってしまったーーっ!
食べ物の恨みという言葉をこれほど痛感することも珍しいでしょう。ですがすでに数の子は胃袋のなか!
このくだらない争いに意味はあるのでありましょうか!?