祭日だし、早く帰れると思った。
とある店で並しか食べてこなかったお昼のうな重を、前々から次こそはと意気込んでいたうな重の上を食べた。
うまいものは、気分が良いときに食べたいに決まってる。
帰ったら、帰ったらと妄想した。
腹パンをするかもしれない。剛拳ちゃん流剣ちゃんを散歩させるかもしれない。はたまた寝てしまうかもしれない。それでも妄想が膨らむだけで笑顔だった。
だが、膨らんでいったのは時間だった。
周りが続々と帰っていくなかで、自分を含むわずかな同胞達が残されている。誰かに問いただしてやりたかった。『ここはバージョン4の世界か!?俺はなぜ時間と言う名の牢獄にいるのだ!?』と。
きっとそれを言った瞬間に、翌日から冷たい目が向けられることだろう。
こんなことなら、うな重の上なんか食べるんじゃなかった。
ウキウキで食べたのがぬか喜びの過去へと変わり、それでも微かに腹にまだ残っている、うなぎで腹を満たした重さが辛かった。
気づけば帰りが21:00だった。
プレイヤー怒りの妄想腹パン約30回。サタンは妄想の中で理不尽だとごねていたが、もとよりサタンは悪魔だから人権はない。ざまあみろ。
プレイヤーは、泣いた。(泣いてない)