闇・・・か。
少し前ならば、我もすべてを支配し、破壊の限りを尽くしていた。
だが・・・、チッ。あの赤髪の拳がどこへ響いたか知らぬが、我も考えが大分変わった。
守るものも、できてしまったしな。
今でも確かに闇の力は我が源、戦いにおいては欠かせぬものだ。
闇に支配される魔物が数多くいようと、この力は切っても切れぬ存在よ。
しかし、そうだな竜神よ。
真に守るべきものの前では、そこに光も闇も関係なかったのだ。
重要なのは使う者の意志。
闇に呑まれることなく、光にすがり続けることなく
正しきことに使う意志だ。
ん・・・?
雨?この闇の領界にか?
他の領界からの影響か?
それにこの雨・・・、ただの水滴ではない。
不思議な力を感じるぞ。
おぉ・・・、フハハハ。
これは・・・魔界の覇王たる我が、光を・・・か。
フン。相対してきた力だが、なかなか心地よいではないか。
生まれ変わったら貴様もどうだ、竜神よ。