王「うむぅ・・・。息子はうまくやっているだろうか」
王妃「うふふふ。大丈夫ですよ。先の武闘会からだいぶ成長を見せていますもの。」
王「私のように戦いばかりの人生を送らぬようになってほしいと、私利私欲のために争わない娘を選ぶためのものであったが・・・母さん、今回はだいぶ気合いが入っていたな。」
王妃「気合いだなんて・・・いやですわ。」
王妃「ただ純真そうな子をストーカーしまくってしまくって、無理やり武闘会に送り出しただけですわ。」
王(さすがは最強の軍師と呼ばれる我が妻よ。やることがえげつない・・・。)
王妃「なにか?」
王「いや。」
王妃「でも私の目に狂いはありませんでしたわ。我が子に出会って、良い方向へ変えてくれましたもの。」
王「それ以降も息子にかげから炎の力を送り込むし・・・。」
王妃「ちなみにモンスターを魅了してけしかけたのも私ですのよ。」
王(えっぐ・・・)
王妃「でもおかげで今はあの娘もまんざらではないんじゃない?」
王「時間の問題・・・なのだろうか。先日なんか」
王子「父上!母上!僕は人生をかけて守り、愛すべき人を見つけたんだ!これからはシルデレラの家で世話になりたい!」
王「ちょ、ちょっと待った!せめてうちに招待するとか・・・」
王妃「可愛い子には旅をさせろ!」
王妃「(計算通り・・・!)大事なのはふたりが一緒にいることよ。幸せになってきなさい!」
王子「母上・・・、ありがとう!」
王妃「知らないうちに大きくなって!うれしいわ!」
王「知らなくはないだろう・・・ストーカー・・・」
・・・・・・
王「私は寂しいぞ。」
王妃「悲惨な戦からの解放というのもあるのだから。私たちの子だもの、きっとこれからは大切なものを守るために戦うはずだわ。」
王「でもなあ・・・」
王妃「しつこいわよ。」
王「はい。」