【ねぇ、見てみて。あそこの2人。】
【あらあら。うふふふ。】
流剣「・・・・・。」
流剣「あのメイド、よくも騙したわね・・・!」
【きっと、とても仲良さんなのねぇ。】
流剣「なにが今年はいつもの染色を逆にした、よ。」
【だってあの2人の浴衣・・・。】
【お互いの髪色に合わせて逆にしてるわよ!】
流剣「いつもどおりじゃないのよ~~~~~~っ!!」
流剣「いつもなら構わないんだけど・・・、ごーちゃんが男の子ムーブするなんて言い出すもんだから、これで【いつもどおり】染色を逆にしたら注目を浴びそうで危惧していたのに・・・してやられたわ!」
剛拳「おいおい、なんてツラしてんだよ。せっかく1年に1度の行事なのにそんなうつむいてちゃ損だぜ?ながれ!」
流剣「あの・・・妥協はするから、喋り方だけはなんとかならないかしら?」
剛拳「そいつはダメだろ。今日1日はお前の彼氏役なんだぜ。」
流剣「お前って言うな。それにさっき家では注目されないとか言ってたけど、めちゃくちゃ注目集めてるじゃないのよ!!」
剛拳「そりゃあ男女(に見える)ふたりが互いの色の浴衣着てたらな。」
流剣「アンタまさかエラガンと打ち合わせしたわね!?」
剛拳「バッチリだぜ!」
流剣「こんの・・・っ!」
剛拳「でもあれだな。さすがにここまで注目されると・・・」
剛拳「かなり恥ずかしいぜ。」
流剣「だからそう言ってるでしょうよ!バカなの!?」
【おっ!?今度はあの2人、言い争いを始めたぞ!】
【ケンカするほどってやつかしら?見せつけてくれるわね!】
流剣「なんか、周りはもうアンタが男に見えてんのね。」
剛拳「うれしいぜ。」
流剣「女の子としてどうなのよそれは・・・・っと、痛ててっ!」
剛拳「えっ?どうしたの?」
流剣「あっ、ごめん。ちょっと草履がきついのかしら?擦れてきちゃって・・・。」
剛拳「そっか、じゃあ」
剛拳「あそこに座るところあるから、ほら掴まって。ゆっくりいこ?」
流剣「ん。ありがと。」
流剣(こういう頼りになる優しさは本当にごーちゃんらしいわね。)
『おーっと、そこの浴衣が似合うキミ。』
流剣「なによ。ごーちゃんいい加減キャラを定めたら?」
剛拳「え?私はなにも?」
流剣「え、じゃあ・・・」
『なんだか辛そうみたいじゃん?そんなやつ放っといてさあ、俺が一緒についててあげるよぉ?』
流剣「はぁ?悪いけど、連れと来てるから。それじゃあ・・・・痛っ!?」
剛拳「!!」
流剣(足が痛くて、うまく動けな・・・)
『ほら無理しないでさぁ。あっちで休もうぜ?』
流剣「あのねぇ!いい加減に!!」
剛拳「おい、テメェ。」