てんさいちゃんと過ごしてしばらく。
私は少しずつ体調が良くなってきたように感じる。
これもてんさいちゃんのおかげかな。
そう思い始めていたある日、
私は階段下でうずくまる
「てんさい」ちゃんを目にした。
私「て、てんさいちゃん…?」
てんさい「!」
私がてんさいちゃんに声をかけると、
私の声に驚いたてんさいちゃんは慌てた素振りを見せながら部屋へ走って行く。
心配になった私は、てんさいちゃんのところへ駆け寄った。
私「てんさいちゃん…どうしたの?」
てんさい「ううん、なんでもないよ!」
私「もしかして体調が悪いの?」
てんさい「えへへ大丈夫だよ」
私「無理しちゃだめだよ汗 私なにか元気が出るもの買ってくるね」
そう言って私が扉に近づくと、てんさいちゃんは鬼気迫るような大きな声で私を止めた。
てんさい「外に出ちゃだめ!!!」
私「…!」
その時、私の中には一つの感情が込み上がってきた。
それは「てんさい」ちゃんにではなく、「外の世界」に。
てんさい「外はだめだよ…」
私「てんさい…ちゃん」
てんさい「しってるはずでしょ。外の世界は」
私「…!」
てんさい「こわいってことを」
その瞬間、私は強い眠気に誘われる。
消えゆく意識の中、私は思い出した。
「そっか…てんさいちゃんは…」
外の世界とてんさいちゃんのことを。