「コマンド」
→
こうげき
ぼうぎょ
扉の前に立ちはだかったてんさいちゃんは
私に容赦ないほど怒涛のパンチを連打してくる
雨のように降り注ぐパンチの中、私はふと思った
そういえば私、空手習ってたんだったなぁ
「私とてんさいと外の世界と」
てん「どう!?痛いでしょ!?」
そう言いつつもパンチをやめないてんさいちゃん
確かに痛い…
でもこの痛みはきっとてんさいちゃんのパンチの力じゃなくて…
てん「この痛みは私ちゃんが今まで外で受けてきた痛み…!」
てんさいちゃんのパンチから今までの痛み、感情、トラウマが私の中に伝わってくる…
私…こんなに辛かったんだ…それを私は…
てん「私ちゃんは十分頑張ったんだよ!ずっと耐えて偉かったんだよ…だからもう外に出て頑張らなくてもいいんだよ…!」
私「うぐっ…てんさいちゃん…、」
てん「てんが私ちゃんの代わりに明るく振る舞うから…私ちゃんがこれ以上辛いことを思い出さないように頑張ってポジティブに過ごすから…」
私「それでも私は…外に…」
てんさいちゃんの殴打に意識が遠のいていく
それでも私は倒れない
倒れたくないんだ
だって…
てん「外に出たらどうするの!?また自分よりも誰かのために行動するの!?今の自分を見なよ!手を差し伸べてきた人たちよりも私ちゃんの方がボロボロじゃない…!」
「コマンド」
→
こうげき
ぼうぎょ
私「たしかに…起きてるだけでもすごく辛い…」
てん「でしょ!?だからもういいの…!てんが私ちゃんのために戦う!てんが私ちゃんを守る!」
「コマンド」
→
こ#げ@
☆うぎょ
頑張るのも辛い、逃げるのも辛い、生きることすら辛い…
そんな私が外に出て何かできるとは思えない…
でも…私は…!
てん「これまでもそう…!どれだけ努力しても報われない!誰かに手を差し伸べ続けても自分の問題を後回しにして自滅する…!」
てんさいちゃん…私はそれでも前に進みたい…だから…!
「コマンド」
→う☆@れD
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思いの丈を放つてんさいちゃん
次の瞬間、てんさいちゃんは右手を大きく振りかぶった
てん「だからあの時!私ちゃんは耐えきれなくなってドアノブに結んだ紐で首を…!」
私はてんさいちゃんを…!
「コマンド」
→うけいれる
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