気づくと私はてんさいちゃんを抱きしめていた
腕の中からはてんさいちゃんが震えているのを感じる
ごめんね、てんさいちゃん
私の代わりに辛いことを背負わせて
私の代わりに明るく振る舞わせて
私の代わりに頑張ってくれて
私「てんさいちゃん、私ね」
震えるてんさいちゃんの耳元で
私は想いを告げた
私「私、てんさいちゃんみたいになりたい」
『私とてんさいと外の世界と』
てん「そ…それって…?」
これは私の夢だったこと…
現実では叶わなかった私の夢…
「てんさいちゃん」で叶えようとした夢…
私「自分を騙さず、明るくて、賢くて、ポジティブで、辛い事を背負いながら誰かのために戦って、そして誰かを笑顔にできるてんさいちゃんみたいになりたい」
その夢を現実で叶えたい…
てん「…それって…どういうことかわかってるの…?!てんのようになるってことは今まで経験した辛い経験を受け入れて、それを背負ったまま誰かに手を差し伸べて…また辛い経験をすることになるんだよ…!?」
私「うん、わかってる」
てん「ど…どうしていつも私ちゃんは頑張るの…?!誰かに優しくてしても損することばっかりだよ…?それは私ちゃんが1番…」
私「そう、私が1番知ってる」
前に進むのが怖くないわけではない
私自身辛い決断だということも理解している
私「それでも世界には助けを求めてる人たちがいる。困っている人がいる。苦しんでいる人がいる。そういう人たちの力に私はなりたいんだ」
震えるてんさいちゃんと共に私の体も震えだす
辛くて怖くて起きるのもやっとな私だけど…
気づくと私は目から大粒の涙が溢れ出していた
私「てんさいちゃん、応援してくれないかな…?」
てん「うっ…」
少し堪えながらも、てんさいちゃんも感情が爆発したかのように泣いた
てん「うわぁぁぁぁぁぁん泣!」
私「てんさいちゃん、行ってくるね」
そう言いながら私は外の世界へ続く扉の前に立った
てん「辛くなったら無理しないでね」
私「うん…!」
不安や希望、いろんなことを考えながらドアノブに手をかける
私「ねぇ…てんさいちゃん…」
てん「なにー?」
私「もし、外の世界へ行って…また辛い思いをして潰れちゃったりしないかな…」
そう言うと、てんさいちゃんは満面の笑みでこう言った
てん「私ちゃんはお馬鹿さんだな~(о´∀`о)てんが出来たんだから私ちゃんもできるよ!それにこんなにも優しい私ちゃんだから神様も味方してくれるよ!」
私「…そっか!そうだよね!…でも私はてんさいちゃんでてんさいちゃんは私でもあるから、私がお馬鹿さんだったらてんさいちゃんもお馬鹿さんだね!」
それを聞いてハッとした表情をするてんさいちゃん
てん「あー!じゃあ今の無しー!!!」
私「あははっ!」
てん「そうだなぁ、もし潰れちゃうことがあったら…」
少し考えたあと、てんさいちゃんは拳を突き出し、こう言った
てん「その時は、神様を一発ぶん殴ろう☆」
私「!…いいねそれ笑」
てん「じゃあね!いってらっしゃい!」
私「うん!行ってきます!」
これは1人の…私ちゃんの物語
それからの物語はいまも続いている