ver.4の新職業が「天地雷鳴士」だという話をきいたとき、最初に思ったのは、
「デマじゃないの?」
ということだった。
えっ、堀井さん、この職の導入にオッケー出すんだ。
天地雷鳴士って、ドラクエ7プロパーな職業だと思っていたなあ。
このへんは語ろうと思えば無限に語れるんだけれど(長いからよすけど)、かいつまんでいえば、ドラクエ7における天地雷鳴士の正体って神主さんと巫女さんなのですね。画像検索してみると、そういう公式グラフィックが出てきます。
ドラクエ7って、神さまと、人と、神さまになりたくてしょうがない魔王さんという三者をめぐる物語なので、
「ものすごく修行をつむと、神様と人との仲立ちをする存在=神職になれる」
という要素がフィーチャーされている(と思う)わけです。ゴッドハンド職も同様ね。
「そういう物語だから、そういう職が用意されている」。
あまりにもドラクエ7の物語に根ざしすぎた職業なので、例えばドラクエ9に導入されていない。外伝作品にも登場していない(よね?)。登場するはずがない。
ということだと思っていたのに、ドラクエ10にそれが導入されるときいて、そりゃもう驚いた。
最初のハナシにもどるけど、どうして堀井さんがOKを出すのか意味がわからないとすら思いました。
でも、改めて考え直してみると、
「ドラクエ7ライクな《神と人とをめぐる物語》がバージョン4で展開する」
のならば、天地雷鳴士が「これしかありえない職業」としてしっくり合うことになるよね。
ver.4がそういう物語になる、というのは、ありそうなことだなあと思い直しました。
おそらくver.4では、5000年前に滅んだエテーネ王国にタイムスリップすることになりそうです。
そうなると「繁栄をきわめたエテーネがなぜ滅んだのか」という謎解きのお話になっていきそうです。
だとしたら「万能感に酔いすぎて自分たちが神と同等の存在だと思い上がったせいで滅んだ」みたいな真相はわりと普通にありそうなことです。
レンダーシアには神話の塔(旧称)やらリンジャの塔やら、「バベルの塔」を連想させる建造物がありますしね。不思議の魔塔の本棚に置かれた書物をみると、神の座に手をかけようとした人々がいたことがほのめかされています。
「神の領域に手をかけたせいで滅んだ古代王国」という(ベタな)アイデアは、わりときっちり導入されてそうだ。
そしてもちろん、エテーネの国民をそのような方向に導く「根源さん(略称)」がいたりするのでしょう。
ドラクエ10のお話は、そろそろルティアナ神と根源さんのお話になっていくよ、ということは、最近ほのめかされました。「ルティアナさんと根源さんと人間」の三者をめぐる物語が展開するなかに、神と人とを仲立ちする天地雷鳴士がいるのは、考えてみるとわりにきれいな形かもしれない。
で。
仮定のうえに仮定を重ねるかたちになるけれど、そうだとすると天地雷鳴士って「イベント職」だっていう可能性もあるかもしれない。
つまりは、メインストーリー攻略のため専用の職業……「天地雷鳴士でないとクリアできないシナリオがある」とか、そんな感じ。
だって、今でさえ職業バランス傾いているのに、新たな強力そうな職業、単純に付け足せます?
今後、職業が増えていけばいくほど、バランス取りは困難になる。
ドラクエ10の職業って、つきつめれば「たった4枠しかないPTの席を、ゼロサムで奪い合う競争者」なのです。
この競争は、職業が増えれば増えるほど苛烈になり、おちこぼれる職はみるみるおちこぼれ、無限に提案広場のもめごとのタネになっていく。だから職業を並列に増やしていくのには限界があり、もうその限界がかなり近い。
だとしたら、「限定的にしか使用できない特殊職業にする」というのは、バランスを取りやすくするための、ひとつの有望そうな解だと思う。
たとえば「過去世界でのみ、その職業に転職できる」とかなら、職業にも、世界にも、強烈な特徴が出る。「まだ神と人との間に、強い絆が結ばれていた時代にだけ、存在することができた職業」みたいに言えばいい。
限定職業なら、多少強すぎてもいいし、弱すぎてもいい。特殊な場合のみ凄く強いとか、すごく弱いけどこの職業でしかクリアできないから、何とか使いこなすしかないとか、そういう成立感のつくりかたができるわけだ。
まあそんなようなことが、新職業天地雷鳴士の情報をきいて、私が頭のなかに思い浮かべたことです。(注:言い当てではありません)
……でも「げんま召喚」がドラクエ7っぽく普通にできたら、あまりにも強すぎるか、それありきのバトルバランスになっちゃうよねぇ。どうなるのかなあ。