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知の祝祭の攻略者

アラタ

[アラタ]

キャラID
: YA810-835
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 133

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アラタの冒険日誌

2017-09-10 18:07:06.0 2020-11-06 02:56:04.0テーマ:イベント

魔王ゾーマがねらっているもの

 竜王城のときにはゲームに復帰していなかったので、このタイプのイベントには始めて参加した。

 たぶん大勢の人がそうだと思うのだけれど、ドラクエ3は私のなかで特殊な体験になっていて、ほとんど神格化されているので、やってみるといろいろと、違和感はあったのです。

 こういうこと言い出すの、ほんとめんどくさいファンだと思うのだけど、ゾーマを倒したのは偉大なロトでなければならず、私ごときがゾーマを倒したことになりたくないという(ねじれた)気持ちがありました。
 私のおかげでアレフガルドに光がもたらされるのはいやだなあと思ったし、精霊ルビスがひかりのたまをくれるのも、釈然としない。あれは竜の女王が持っているべきものでしょう。
 そしてなにより、天下の大ゾーマ様が、四角い部屋の中をへちゃへちゃ歩いて、人間ごときをいちいち追い回さないでほしい。天下にとどろく大ゾーマ様がタックルをくらってスタンするなよといいたかった。

 ……と思っていたのだけれど、これは私が間違えているなと思い直しました。

 これってチュートリアルなのだよね。それも、かなり優秀な。

 このタイミングでゾーマ戦が提供されることに意味がある。りっきーさんへのごほうびだとか、そんな単純なことじゃなさそうだ。

 ドラクエ11をみんながクリアしだしたころだというのが、ポイントだ。ドラクエ11をやったら、古くからのドラクエファンは、ドラクエ3のことを思い出さずにはいられないだろう。PS4版のドラクエ11には、ドラクエ10の体験版もついている。
 そこに「ゾーマと戦えます」というイベントを投げれば、ドラクエ11をやって、ドラクエ体験がアクティブになっている人々が、ドラクエ10に流れ込んでくるだろう。

 が、ドラクエ10は、従来のドラクエとはまったくちがうバトルシステムだ。PS4のドラクエ11ユーザーは、バトルのルックスが似ているからこそ、余計に混乱するにちがいない。その点をフォローすることなく、人が増えればとにかくいい、とほったらかすのは無責任である。

 そういう新規ユーザーへの手当となっている。まずなにより、レベルが上がったらどんなことができるようになるのかがプレゼンされている(それも、できることが多すぎて混乱しない範囲で)。
 特に、戦士と僧侶の戦い方が自然に学べるようになっているのが大きい。戦士は敵をスタンさせながらダメージソースになっていく職業だとわかる。僧侶はスクルト・フバーハの重要性を身にしみて感じることになるし、僧侶・賢者は、敵の攻撃表示を見たら、ダメージが来る前からベホマラーを詠唱しなければならないことを学べる。ザオラルとザオリクの確率の違いも思い知ることになる。
 範囲攻撃の恐ろしさと、避けることの重要性も、体で覚えることになる。
 壁とタゲ下がりも自然と理解するだろう。

 ゾーマと戦いたくてドラクエ10に飛び込んできた人が、レベルに関係なく、こうしたことを楽しみながら知ることができる。
 オートマッチングなので、経験者からコツを教えられたりする。
 おまけに、アリアハン装備がもらえることで、着替えの楽しさを知り、ドレスアップも楽しめますよというところまで誘導できている。

 だから、「悪夢の中にいる幻のゾーマと対戦」みたいなことではよろしくないのだ(たぶん開発内ではそういう裏設定にしているとは思うけど)。本物のゾーマと戦えます、という強烈なプレゼンテーションで、とにかくチュートリアルに放り込むということが重要視されたはずだ。

 堀井雄二さんがドラクエ10にゾーマを出したくないと思っていたことは有名な話だけれど、それをりっきーさんとよーすぴさんが説得する際には、上記のようなことをプレゼンしたのだろうと想像する。
「漠然とゾーマを出したいというなら反対だけど、こうした多重のメリットがあるのなら、それは意義があることだから、ゾーマを出してもいいよ」
 堀井さんはそういう判断をしたのではないかと、想像する。

 報酬設定がまた絶妙なんだ。長くプレイしている熟練者は、アリアハン装備ひとそろい取ったらもういいので、周回しない(だからゾーマが何百万回も殺されることにはならない)。
 新規プレイヤーは、貴重な世界樹の葉を大量に入手できる機会なので、周回する。
 周回すれば、それだけ戦闘テクニックが身につくことになる。

 そんなふうに、ひとつのイベントの開催で多大なメリットがある場合、ちょいと従来の設定とくらべてほころんでいるとか、そんなのは実にささいなことだ。積極的に無視すべきだ。

 私はそんなふうに納得することができたし、私は、よく考えられているものに触れるのが好きだ。
 そんなことを思いましたよってことを、ギアガの大穴の虚空に向けて、そっと送り出します。
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