アアンゾン王国――
人と魔物が仲良く共存する、アストルティアより少し離れた場所に存在する小さな国。
統治がきちんと行き渡っている為、これまで目立った争い事などもなく、この国は平和そのものであった。
しかしある日、そんなアアンゾン王国に突如として厄災が降り掛かる。
「ああ~ん…!!」
女王の間に、けたたましい悲鳴が響く。
城の従者たちが何事かと駆け寄ると、そこにはショックを受けて倒れている皇太后ルヒタの姿があった。
「皇太后陛下!?大丈夫ですか、お気を確かに!」
「う、うーん……」
「だめだ、気を失ってしまわれている…それに、女王陛下のお姿も無いようだが…?」
「おい見ろ、女王のベッドにこんなものが!」
女王の姿は忽然と消え、代わりに一枚の手紙が残されていた。
なんと、そこに書かれていたのは…
『女王マミアリアは貰い受けた。
返して欲しくば、我が城”ケシカラーン城“へ訪れ、我の要求する物を献上するが良い。
ただし、簡単に用意出来るとは思わんことだ。
貴様らの知恵を振り絞り、見事解明してみせよ。
それまで女王の身が無事だといいけどな…
ハーッハッハッハ!
by. 大魔王ケシカラーン』
「だ…大魔王ケシカラーン!?まさか大魔王が、女王を攫ったというのか!なんということだ…」
「ああ、早くお助けせねば女王陛下が…しかし知恵を振り絞れ?一体、ケシカラーンは我々に何をさせようとしているのか」
「…み…皆の者…落ち着きなさい…」
従者たちがざわついていると、意識を失っていた皇太后がおもむろに上体を起こした。
「こ、皇太后陛下!目を覚まされたのですね!」
「ケシカラーンの目的は分かりませんが、すぐに危害を加えてくることはないでしょう。それに、ぞんを救うためには、いずれにしても彼奴の城に攻め入るほかありません。彼奴の要求を呑みましょう…必ずやぞんを無事に助け出すのです」
「はっ!」
攫われた幼き女王マミアリアを救うべく、皇太后は国中から知恵のある者、腕っぷしの強い者たちを集めるように命じた。
あなたもその一員として招集され、いよいよ敵の本城ケシカラーン城へ足を踏み入れることとなった――
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【登場人物】
・主人公(あなた)
攫われた女王を救う為、ケシカラーン王国へ赴くこととなった勇敢な冒険者の一人。
・マミアリア=ゾン=アアンゾン
アアンゾン王国の幼き女王。通称ぞん。
国王亡き後王位を継承するが、まだ小さな子供である為、実権は皇太后が握っている。
・ルヒタ=アアン=アアンゾン
アアンゾン王国の皇太后。口癖は「ああん…」
・ルウイヤ=プクスイ=ケシカラーン
ケシカラーン王国を治める大魔王。
プクリポが大好きで、隙あらば吸っているらしい。
※こちらは近日開催予定のイベントの告知日誌になります。詳細の日程については決定次第お知らせいたしますので、今しばらくお待ちください。