七夕伝説
七夕伝説のおこりは中国です。もともとは、中国の織女(しょくじょ)牽牛(けんぎゅう)の伝説と、裁縫の上達を願う乞巧奠(きこうでん)の行事とが混ざりあって伝わったものといわれています。
織女と牽牛は夫婦なのですが、仕事をせずに遊んでばかりいたので、1年に1日のデート以外は仕事、仕事の毎日を強制されるという儒教的思想の色濃いお話。昔の農民が「仕事、仕事」の毎日を哀れむために作ったのが七夕伝説の最初なのではないかといわれていますが、中国の後漢のころ(1~3世紀)には作られていたようです。
日本へは遣唐使などによってもたらされ、日本に従来からあった棚機津女(たなばたつめ)の信仰とが混ざってできたとされています。もっとも、その他にも琉球地方には羽衣伝説などと混ざった形で七夕伝説が伝承されており、正確にいつ日本に伝わったかは定かでありません。
江戸時代には、書道学問の上達を願う行事となり、また、おり姫星とひこ星を引き合わせるため、たらいに水を張り、そこに2つの星を反射させてわざとたらいをゆらし、2つの星があたかもくっついたようにすることも行われていたようです。