絵画の中に入ってみたいという夢は、誰にでもあるだろう。ある意味、私はその夢を叶えたと言えなくもない。ただし、ルネデリコ作の悪夢のような世界であったが。
その青き巨体を持つ竜は、質量を持っているかのような雄叫びによって私達パーティをすくみ上がらせ、吹き飛ばした。
その金色(こんじき)の毛並みの獅子は、雷を呼び寄せ私達を黒焦げにせんとした。
そして、忌まわしき金色の雨を降らせる、見目麗しきがゆえに恐ろしい謎の女性……! 私達は何度も死にかけ、全滅しかけ、痺れ、やっと打ち倒すことができたのであった。
二度と入りたくない。入るものか。しかし、ああ! 呼んでいる。隻眼の枠を持つ絵画が、今もオルフェア地方東や各地にいる! 浮かんでいる! 人を呼んでいる!
血を欲している……。