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ビギナーズラック

ぽるぷ

[ぽるぷ]

キャラID
: ZY997-700
種 族
: オーガ
性 別
: 女
職 業
: 海賊
レベル
: 132

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ぽるぷの冒険日誌

2016-08-02 12:20:45.0 テーマ:4周年記念

【妄想】私も妄想カップリングを楽んでたクチでね……【SS,小説】

 グレンの宿には、ジュレットのそれのような優雅さはなく、また、ガタラのような便利さもなかった。内装からサービスまで、オーガの無骨さと逞しさを体現しており、まともな敬語をきけるのはコンシェルジュのビョルン氏のみという有様だ。だがそれが、家族のようで心地良くもある。

「あれ、まだみんな帰ってきてないのか?」
 エックスは部屋で、四年来の付き合いである、オガ子に訊くのだった。
「素材をバザーに売りにいってるわ」オガ子は言った。「ちょうどいいわ、リーダー」
「どうかしたのか?」
「あたしだけ、特別扱いはよしてほしい」

「おれは、メンバーに平等に接しているつもりだが」
「この前、貴重だった世界樹の葉を使ってくれた」
「僧侶のプク男が忙しかったからだ」

「そりゃ、確かにあたしはあんたの命を救ってやったさ。忘れもしないよ。四年前、ゴーレムの拳で熟れたびっくりトマトが潰れるみたいになるところ……」オガ子は微笑んだ。「あの人間のガキが、こんなに立派になってさ。まったく!」

「まだまだだ」首を横にふった。「まだ、おれはゴーレムを一撃で倒していない。ピンチの誰かを救ってもいない」
「それが重いってんだよ!」
「オガ子には、おれは恩や借りがあるんだ」

「あたしらはパーティなんだよ? 持ちつ持たれつさ」オガ子は、先程より鼻にかかったように笑った。「あんまり贔屓すると、あたしらは疑われっちまうぜ?」
「ほう? だが、その場合どちらかがパーティを抜ける、ということになるだろうな。もっとも、おれは冒険者稼業を辞めるつもりもないが。そっちだって同じだろう?」

「当たり前じゃないか」
「なら、おれの行動は――ルール違反ではないにせよ、疑いは持たれるといったところでしかない」
「エックス、頼むわ」

「おれはいつ、恩返しできる? もっと言えば、あんたが水を飲もうとしたところ、廃墟に紛れていたゴーレムを倒してやれる」
「もういいっての! プク男もウェディ子も、あんたが重いって言ってたんだからね! いっつも本気でさ。疲れない? それ」
 エックスは、言葉を失った。

「……そうか」
「エックス。あんたは、あたしの好物を知ってるかい?」
「グランドタイタス丼と、ファイアタルトだろう?」
「ファイアタルト・小」

「……の、小」彼は少し笑んだ。「プク男は、スタースイーツ。ウェディ子は、★3のバランスパスタだ。だろう?」
「だがパーティの誰も、あんたの好きな食いもんはおろか、過去さえ知らないんだ。わかるだろ? 冒険者になる前は、みんな普通の職業だったんだよ。いきなり、こんなのになるのは稀なのさ」

「なら、話してみるか」
 語られたエックスの過去は、オガ子にとっては信じがたいものであった。冥王ネルゲルに強襲された、エテーネの生き残り。別れ別れの兄弟。
「だから、おれは旅をやめられないんだ。オガ子? 今なら、まだ傷も浅いが」

「そんなことまで聞かされて、黙って抜けられると思うのかい?」
「話したのは、あんたが初めてだ。プク男も、ウェディ子も知らない。おれが、あんたへの恩返しをし、それ以上に、あんたと種族の壁を超えた恋愛を成就させようとしている人間の男、としか思っていない」
 エックスは言った。

「だが、兄弟やシンイの前では、恩などどうでもいいのだ。わかったか? まさか、自分が惚れられてるとでも思っていたのか? だとしたら、とんだ勘違い女だな、お前は」

 オガ子は、震えそうになった。自分がメソメソとするのではないか、とすら感じた。
「はは、ははは……そうだったのか」
「わかったか? なら、さっさとみんなを迎えにいって、メシでも食いにいこう」
「いや、一安心だよ」

「ああ、それから」エックスは言った。「おれは、かいしんバーガーが好きだ。もちろん、★3のやつが」
「フューリーブレード+3を買える身分になってから言いな!」オガ子は笑んだ。「まったく、甘いところは四年前からなんにも変わっちゃいないんだから……一人じゃバイキルトもできないくせに……」

「おいおい。おれたちが捨て身して、プク男がスクルト、ってのがいつものパターンだろう?」
 オガ子は、笑みを浮かべた。「行こうか。あたし、腹が減ったよ」

 彼らは宿を出て、仲間と合流するのだった。一つとして同じ肌の色がない集団である。しかしながら、彼らは今夜、頬を一緒くたの色合いにするだろう。酒が入ることによって。
 彼らは、同じ調理職人による夕食をとるのだった。同じ釜の飯ならぬ、同じフライパンの料理を口にしたのだ。
 それは、既に家族のものである。
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