戦いは終わった。
たとえそれが、次の戦いまでの小休止に過ぎないにせよ、終わった。
ある種の感情が入り込む隙になったのだろう。
チームクエストがあった。キリカ草原の征伐である。
アルミラージがいたので、まもの使いである私は戦いを挑んだ。
アルミラージは、うさぎのおまもりを落とした。
一匹目で。
過去を思い出すのは当然のなりゆきだった。
もう五年も前のことなのか。皆、こぞってアルミラージを狩っていた。
アクセサリーなど、わずかしか存在していなかった頃だ。
常日頃から感情に制限をかけていたので、溢れることはなかった。
ある種、感情の抑制は、感情の爆発より疲れの遷延をもたらす。
あの頃は……良かったと言うつもりはない。
私は弱かった。レベルも50未満だっただろう。
弱く、かつ、無知だった。
ゆえに、世界は未踏の地で一杯だった。
もう帰れない。あの頃の家にも、過去にも。
庭は広がりすぎた。