わし、アストルティアでは狸じゃけどリアルではタフガイやねん。
ただ、許されることなら、病弱な美少年とかになって
今はもう、あるのかすらわからないサナトリウムとかで私小説とか書いてたいんじゃけど、環境と骨格がそれを許さなかったねん。
まぁ、それはいいねん。
要はわしが筋肉質でいかついってことやねん。
んでの、やっぱそうなると、周囲の目がわしの嗜好とは関係なしに、わしの行く道を決定するねん。
あれじゃ。デブが大食いじゃないと、なんかガッカリするじゃろ?
おんなじようにわしがBARでカルーアミルクとか頼むと、ガッカリされそうな気がしての。
いつの頃からか、アイラモルトのストレートに、チェイサーはギネスというやたら男っぽい飲み方をするようになったねん。
そんでの、三十路過ぎた頃に馳星周にはまってごつい葉巻をくゆらせるようになったねん。
まぁ、今ではこの飲み方も既に血肉になってるんじゃけど…
やっぱ歳とるとの、酒飲んで葉巻ふかすだけじゃきつくなってくるねん。
もっというとの、自由に飲みたいねん。
わしはワカコと吉田類さんに、めっちゃ憧れとるねん。
だってあいつら、どっちに転んでもいいキャラじゃろ?
人を3人くらい殺してそうな因業そうなババアがやってる焼き鳥屋とかで飲んでもよし。
連れ添って40年のおしどり夫婦が経営する、大衆割烹で飲んでもよし。
有名イタリアンのシェフがやっとるレストランで食前酒にグラッパなんかもいけるの
果ては本格的な銀座あたりのBARで「ギムレットには早すぎる」とか嘯いてもいいわ。
の?なんでもいけるじゃろ?
わしは選択肢が狭いと思うねん。
や、わしかてわたみあたりで、グレープフルーツサワーにフライドポテトでのんでも、誰も咎めんことはわかっとるんよ?
ただの習い性というのは如何ともしがたいもんでの。
気が付くと因業そうなババアの店でなんの肉かも判別としない串焼きかじって、ホッピー飲んどるんよ…
酒飲むときくらいは、心のおもむくままに有りたいもんじゃのぉ…