いや なんか
そういえばみんなストーリーについての感想とか書いてるな?
俺一回も書いた事ねぇ
せっかく今暇な時期でもあるし、この苦役と法楽の3年を随筆せず時の流るるままに消してしまうのもいかにあらんや
記憶というのは立て板を下る水のごとく
覚えているうちに、ささ、書いてしまいなさい
貴方は暇なのですから、少し腰を落ち着けて私の話に付き合いなさい
さてあれはもう4年近く前の事になりますか
当時は皆が皆眩しかった
この鮮烈な世界に己が両足で立ったことに大層驚いて喜んでいた
そこを行く行きかう人々、たまに現れる誰かの声、何もかもが大海に出た少年の心を揺さぶった
見た目が聊か荒くても気にしない、目新しさに小さな子供のように興奮する大の大人達は、木の枝を掴んで旅にでたのです
しかしこれはいくらか苦難を伴う旅となりました
木の枝といくらかの防具、これはスライムと戦う内はよかったものの、他の相手に当たればどうでしょう
まるで攻撃が通用せず瞬きのうちに自分達が全滅している
スライムとて回復しようにもスライムから落ちるやくそう頼り、僧侶もいなければ仲間もいない
最初からパーティーを想定して作られた難易度は嶮しい岳となって襲い掛かり
握った枝はいつしか膝をつくまいと頼る杖に変わってしまっていたでしょう
比較的優しいとされているエルトナの道ですらこれであるのだから、当時のドワチャッカの人々の気苦労が知れるというもの
一方で私は運よくご同伴にあずかり3人の仲間と共にこの嶮しい道を登り切り
彼等とまた出会う事を約束しつつ、別れを告げて電車に揺られ、私は故郷を後に
当時まだ電車が一本100Gであったころ、拾った素材を店売りしつつ貯めた貯金で友人を訪ねようとオーグリードへ参りました
バザーのアイコンを理解ったのはしばらく後にございます
オーグリード、エルトナ、2つの大陸2人の友人
私たちは歩を共に歩み始め、苦難も愉楽も、同じ道を歩き始める
「ハイグレムキムキたらこ唇のおっさんがプクリポに興奮する姿はやばいだろ…」
「しかも尻尾がビンビンだよ…」
「トンブレロ!フレイム!緑のたまねぎ!まだらイチョウ!感謝の1日一万残夜!」
(ガルゴル)「ギシャアアーーーー!!」
「ぐふっ」
「くそももーーーーー!!!(お前僧侶だろ!)」
「すげぇよジュレット!物が定価以上で売れる!聖水が800Gで売れてく!」
「蜘蛛、つえぇ~~~…」
「僧侶がベホマラー覚えるまでこれはいかんでしょ」
「いくつよ?マラー覚えるの」
「47」
「よし別のところ行こう」
「見てくれよ俺のキリトさんコレクション!21まで集まったよ!」
「みょうがすわろ」
「はい」
「ひれのついてる大陸」
「はい(ひれのついてる大陸…?)」
「隣人のエルフ男が凄い挨拶してくる」
「ま~たくそももさんが直結されてしまうのか」
全然ストーリーについての思い出ねぇなこれ
そんなこんなで冥王のひざ元にようやくたどり着いたのですが
「勝てんのこれ?」
「無理」
「帰ろ」
しばらくその強さに立ち往生
暇を持て余してグレンルーラポイントにバナナ置いて時間を潰してたりしたものですが
プレイヤーも大きく強くなり、自分達も装備が整った1.0末期、ちょうどいい野良の二人組がいたこともあり
ようやく重い腰を上げて冥王討伐へ出立しました
“聖水代” 重くのしかかるその言葉に士気は上々
当初盗賊であった職を旅芸人へと変わらせ、爪にバイシをかけ続けて約30分
ようやくver1.0のフィナーレを迎えるに至れたのでした
山の頂に立てた喜びも一入、感無量の心も布団の中に置いてきた朝
ストーリーという目的を終わらせたキャラクターの前には真のグランドフィナーレ
“戦士のレベル上げ”が立ちはだかることになるのでした
*「ざんやを振っているときに何も考えてはいけない」
*「そこにはただひたすらの苦痛があるだけ」
*「何も考えてはいけない」
*「南無阿弥陀仏……」