ここはアストルティア最大の娯楽島ラッカラン・・・
この世界のすべての富が集まる地・・・
今日もカジノでは幾千もの一世一代の大勝負が繰り広げられている・・・
しかし華やかな世界には例外なく闇がある。
そんな闇を調査すべく、一人の捜査員が派遣された・・・
彼の事は・・・Mとでもしておこう。
M「アストルティア中央警察のMだ。中を調べさせてもらうぞ。」
警備員「はぁ、まあ別にいいっすけどぉ~、騒ぎは起こさないでくださいね。」
確認を取らなくとも普通に入れるではないかという指摘は今はひかえて頂こう。
Mは迷うことなく遊戯エリアへと向かう・・・
彼はこのカジノの闇がここにあると睨んでいる。
現在、ラッカランカジノはゴールドによる収益をほとんど得ていない。それどころか冒険者たちに大量の優待券を配布し実質コインを提供しているような状況である。
あくまでギャンブルは商売だ。このようなやり方では間違いなく経営していくことはできない・・・
だが、このカジノは潰れるどころか事業を拡大し続けている。
どう考えてもあり得ない。裏で巨大な組織により金が動いているとしか考えられないのだ。
Mは冒険者に遊びを提供するという名目で裏の組織の取引場所としてビンゴやすごろく台を提供しているのではないかと考えていた。
しかし、聞き込み調査を繰り返すも一向に手掛かりが得られない。
さすがの彼も疲れが出てきた。少し休憩をしようとすごろく台の椅子に近づくと女性たちから一緒にすごろくをやらないかと誘われた。
彼も男である。女性の誘いは断れない。彼は少しの間遊戯に興じることにした。
M(このすごろく・・・中々の演出だな)
彼も思わず引き込まれる。
ゲームは順調に進み、最後のボスを討伐することに成功した。
M(ほう、コイン以外の景品が貰えるのか・・・な!?)
彼はあることに気が付いた。
M「ここの景品はすべて合成可能なアクセサリ・・・!?そうか、分かったぞ!裏にあの女の力が・・・・」
全てを言い終える前に彼は意識を失った。
そして気が付くとカジノの外に追い出されていた・・・
ただ追い出されたわけではなかった。
彼は衣服を含む全ての所持品を失っていた。
なんという屈辱、これではギャンブルに入れ込みすぎて身ぐるみを剥がれたかのようではないか。
だが、屈辱と同時に彼の心はどうしようもない恐怖に支配されていた。
そう、これは警告である。これ以上追求すれば・・・それは死を意味する。
恐ろしい女だ・・・
このアストルティアにおいて一番大きな力・・・それは金である。
その中でも最も大きな富を持つあの女には誰も逆らえないのだ・・・
そう、それが世界最大の警察組織であったとしても・・・