-娘はと※メモ 私はドラクエ-
娘が突然 上目遣いで近づいてきた
「お母ちゃん
Switchってさ
この間のアップデートで
ファミリー間ならダウンロードソフトも貸し出しできるようになったやん?
それでさ?
お母ちゃんの持ってるそれ… やってみたいんだよね?」
まだ幼さの残る小さな手が指差したのは
「ときめきメモリ※ル girls side4」だった
…あ!!ちょっと、今!!
「さやけんお前、いい歳してとき※モなんてプレイしてんのぉ?」
って思った人!!
ちっちっちっ!
奥が深いのよこのゲームは!!
育成が結構難しくてゲーマー魂を大いに揺さぶってくるんだからね!!
小学3年生
ゲーム内の説明をボタン連打ですっとばす系女子の娘
ポケ※ンだって 伝説を目の前にしてボールをとばさず会心の一撃で一掃してしまうような
そんな貴女がそうそう容易く手を出せる代物じゃないの!!
リサーチ力 大事!
文章を読む力 大事!
今までのゲームへの取り組み方では クリアなんて夢のまた夢なのよ!!
…なんて 手厳しいことも言いそうになったのだけども
「最近ドラクエⅩしかやってへんねんから
14日間くらい貸しても問題ないんちがう?」
という夫のひとことで
「14日が過ぎると自動で返ってくる」
という神システムへの絶大な信頼から
広い心で貸してあげることに。
14日以内に クリアができず泣いている娘を見ることになるのでは。
そんな不安は拭えなかったけれど。
軽い気持ちでランプ職人から調理職人に転職し
ノンプレイ期間に自然に貯まった大金が幻のように消えていく私の横で
もくもくと「とき※モ」に勤しむ娘。
左の中年女性はドラクエ
右の小3少女はどき※モ
びっくりトマトの登場頻度に度肝を抜かれ
どうやったら手に入るのかとスマホ片手に検索魔になっている母の横で
約束したデート当日 うっかりドタキャンし気になる彼を怒らせる娘
負けられない戦いが そこにある
真剣な想いが そこにある
現代文明の力により 野菜を育てる過程でトマトができることがあるらしいとつきとめた私
この勝負 もらった!!
喜びを隠さず拳を上へと掲げた私の横で
娘は両目を左手で覆い 右手でボタンを連打するという奇行を見せる
「どうした」
思わず声をかける 異様だったからである
「だってこのゲーム、なんかはずかしい!!」
娘がそう叫ぶ
画面を覗き込む そこに映し出されていたものは。
おかしい 絶対におかしい
私がプレイした時はもっと時間がかかった
1日2日でクリアなどできなかった
平日は1時間
休日は2時間に設定された限りあるゲームプレイ制限時間の中で
多くのイベントをスキップしたのか?
それとも何か裏技があるのか?
娘はとんでもない時短プレイを実現させ
卒業式の日
七※森くん(眼鏡キャラ(隠れイケメンモデル))に呼び出され
照れる彼から見事に告白されているではないか
デート、ドタキャンしたのに?
バイトもしてないのに?
3年間ずっと家庭科0点を貫いたのに?
トマトを育てることを面倒くさがり
試しにバザーを覗いてみるもその高額っぷりに
一瞬やる気を持っていかれそうになった私に
娘は大切な何かを教えてくれた。
とき※モとドラクエ。
相入れないように見えた二つのゲームが
不思議とリンクする。
そんな今日の昼下がりなのでした。
(なんの話やねん)

調理職人…お料理は面白いんだけど
なんかめっちゃお金かからん?
私が下手だからなのか?