バレエ大好きのDQXプレイヤーの私が
グランゼドーラ劇場 バレエ ドラゴンクエストの応援として、バレエとドラクエバレエについて解説日誌を書いています。
本日の日誌で最後となります。
公演後はドラクエバレエから連想するバレエ作品というテーマでバレエ作品を紹介しました。
この日誌を読むほとんどの方は、ドラクエのコンテンツとしてバレエを楽しんでいただけたと思います。
では、バレエ作品としてドラクエバレエはどんな作品になるのでしょうか?
文中の人物の敬称は省略します。
スターダンサーズ・バレエ団は通称のスタダンと表記します。

実はドラクエバレエは、踊りの見せ場が少なくバレエ作品としては物足りない印象があります。
バレエファンの人がドラクエを知らないで見に行くと、踊りの見せ場が少なくつまらないと思う方もいます。
舞台評論家たちの中でも、このことを指摘されていることがよくありました。
一般的な物語バレエでは、「ディベルティスマン」と呼ばれる、物語の進行に関係しない、民族舞踊をバレエ化した踊りと、主役の男女によるグラン・パ・ド・ドゥを披露するだけの一幕があります。
バレエの物語性を薄めて踊りを印象付けるクラシック・バレエの様式作ったのが19世紀のバレエ振付家、マリウス・プティパという人物です。
プティパの作ったバレエ作品は現代にもたくさん残されており、世界中で上演される定番のバレエの演目となっています。
しかし、ドラクエバレエはプティパの作ったバレエとは違い、マイムを多用したお芝居のシーンをメインにして常にストーリーが進み続けます。
踊りのシーンが長いとドラクエ好きで見に来たバレエ初心者は、ストーリーが進まず踊ってるだけのシーンを見ても「なにしてるの?」と思ってしまうでしょう。
踊りの見せ場を多くしなかったのは、ドラクエバレエをバレエ鑑賞の入り口となる作品と位置付けて作られているからだと思います。
バレエは見たことないけど、ドラクエなら見てみたい方が今回配信チケットを購入されたと思います。
現地の客層も普段バレエを見ない男性客が多いのがドラクエバレエの特徴です。
ドラクエバレエのターゲットはまさにこういった、普段バレエに触れることがない人々です。
壮大で踊りの見せ場がたくさんあるバレエを見たい人に、ドラクエバレエはオススメできません。
鈴木稔はディベルティスマンを省略しつつも、古典バレエの作りにドラクエを当てはめてドラクエバレエを作り上げました。
群舞やパ・ド・ドゥは美しく、男性のテクニックはカッコよく、話はテンポ良く進んでいく、シンプルな構成で作られています。
バレエファンなら、現代のゲームがモチーフなのだからコンテンポラリー(現代舞踊)の振付を使ったらどうか?と考える人もいると思いますが、ドラクエバレエにそれは必要ありません。
ドラクエは、中世の騎士道物語をモチーフに、
剣と魔法で戦い悪を倒す物語です。
クラシックバレエの物語でも、ヨーロッパの世界に妖精や魔法が登場し、悪魔や恋敵となる敵が登場する物語が多いです。
バレエとドラクエには共通するファンタジックな世界観がすでにあるのに、現代的な世界観(コンテンポラリー)を入れる必要はありません。
バレエ作品としては少し物足りない理由は
「たくさんの人に受けいれてもらえるバレエを作る」ということを1番に考えたからです。
今ではこの理由が多くの舞台評論家たちに理解されるようになっていて、バレエ作品としての物足りなさを指摘する舞台評は少なくなったように思います。
20世紀以降のバレエ作品は登場人物が多く話を理解するのに下調べは必須です。
また、あらすじのないバレエ作品には振付家の思想や哲学が込められていることもあります。
コンテンポラリーに至っては、聴き馴染みのない難解な音楽や抽象的なテーマを扱うため、バレエファンでさえも初めて見ると理解しにくいことがあります。
しかしドラクエバレエに関してはゲームを知らないバレエファンでも、今までに紹介した様々なバレエ作品をモチーフにしていることがよく分かるためお話が理解しやすいようになっています。
そんなバレエ作品は珍しいです。
今回ドラクエバレエを素敵だなと思っていただけたら、ぜひ他のバレエの動画を見たり劇場に足を運んでいただけたらと思います。
バレエは物語を理解した上で作品を見比べてみるとより楽しめます。
次回、ドラクエバレエの生配信があるかは分かりませんが、今回見た方にもまた見てほしいです。
きっと今回の舞台とはまた違った舞台を見ることができます。
約1か月ドラクエバレエ日誌を読んでいただき本当にありがとうございました!
私のバレエとドラクエへの気持ちが少しでも
伝わっていたら嬉しいです。