アストルティアの各地から集まった生徒達が、勉学や部活動に勤しみ、またある時は戦い己の技を磨くアスフェルド学園。
そんなアスフェルド学園には、生徒達の間で語られるある噂がある。
『この学園には何でも願いを叶えてくれる精霊がいる』
大人からすれば馬鹿げた話に聞こえるが、年頃の少年少女達にとってみればとても魅力的に感じるもので、生徒達の間で噂が耐えない。
「ねぇ聞いた?願いの精霊の話」
「ええ、だけど本当の話なのかしら」
「さあ?でも、数年前にこの学校で起きた事件あったでしょ?」
「学校全体が封印されたって事件?」
「そうそれ!なんでもその事件には願いの精霊が関わってるらしいの」
「へぇ‥‥まさかそれ自体が誰かの願いだって事?」「そういう噂だよ?まあ、ホントかどうかは事件を解決したっていう当時のフウキのメンバーと伝説の転校生に聞かないとわからないと思うけどね」
数年前、このアスフェルド学園であるゆる場所が封印され生徒達が閉じ込められるという事件が起きた。しかし、事件解決の為に組織されたフウキのメンバーと突如として現れた一人の生徒によって解決される。
その生徒は瞬く間に封印された各施設を開放し、その活躍から当時の生徒たちからは伝説の転校生と呼ばれ、その後の学園でも生徒達の間で語り継がれており、憧れを持つものは少なくない。
そしてまた一人、その噂に魅了された者がいる。
「ん~何処にも無いです‥‥‥やはり事件の資料がこんな所にある筈が無いですね‥‥‥」
学園の図書室で一人の少女が難しそうな表情で本棚を見つめ肩を落とした。
この少女の名はリーティア。ある目的の為に魔法を学んでいる。
「伝説の転校生‥‥噂ではあらゆる魔法や技を使うことが出来たとか‥‥その人の事を調べれば、もしかすれば‥‥‥あの人を‥‥‥」
薄暗い学園の一室で謎の人影が揺らめく。その人影は良く分からない言葉を暫く呟いたあと、ニタァ‥‥とした笑みを浮かべる。
「ヒヒヒ‥‥‥間もなくです‥‥我が神よ‥‥‥間もなく‥‥全ての用意が‥‥‥ヒヒヒヒ」
生徒達が暮らす平穏な学園に、また不穏な影が迫っていた。
友人に進められて書いてみました。続けるかどうかは分かりません