あら、お客さんみたいね。みんな準備よろ~
ようこそ、来訪者さん。
ここは「真」でも「偽」でもない・・・
そうね、しいて言うなら「虚」メルサンディ村といったところかしら。
長老が言うには「ディラックの海」、じゃなくて「シュレディンガーの猫」だったかな。
「波動関数」がどうとか言ってたような・・・
とにかく、この村はここに「在る」。それでいいじゃない
あなたは・・・、興味本位でここに気付いてしまった愚かな人
「好奇心は猫を殺す」って言うでしょ
そっちは・・・、そう「魔眼」の持ち主なのね。
「見えない」モノが「視えて」しまう能力を利用されてしまった可哀想な人
そう、あたしの能力は「サトリ」、だからあなた達が今何を考えているか手に取るようにわかるわ
そういえば、自己紹介がまだだったわね
あたしはミオ。シスター・ミオよ
さ、いらっしゃい。歓迎の宴を用意させてあるから
さあ、召し上がれ。毒なんて入ってないわ、この村で採れたモノばかりよ
そんなに怖がらないで。あなた達を食べたりしないわ
昔は人間を食べていたらしいけど、ある時人間達が国をあげて大討伐をしたの。
それ以来、人間を食べるのはやめたらしいわ。
詳しく知りたければ長老に聞くといいわ。時間はたっぷりあるのだから
何を不思議そうな顔をしてるの。
あなた達が食べたのは「この村で採れたモノ」。
「異界のモノを食べてはいけない」という伝承を知らない訳じゃないでしょ
フフフ、ウカツだったわね。
もう遅いわ、あなた達は、あたし達のナ・カ・マ
来なさい、長老が待っているわ。キチンと挨拶するのよ
大丈夫、すぐに、ここでの生活に慣れるわ
そう、かつてのあたしの様に・・・
Nuit d'Halloween
10/11 一部修正