[腐注意:フィクション]痴話喧嘩は犬も食わない。
こんにちは。アストルティア生態リポートの時間です。
今回は、海からやってきた不思議な生き物、ウェディのリポートです。
中央のウェディたち、なにやら争っているようですね。
しかし、家主の美少女エルフと、お連れの人間男は彼らには無関心の様子です。
無関心、というより、ひょっとすると「ああはいはい、いつもの痴話喧嘩ね」と相手にしていないようにも見受けられます。
果たしてこの争い、いつまで続くのでしょうか。
逆上したツンツン魚が、あたりの機材を破壊したりしないか、若干心配ですね。
10分後。
ウェディたちの争いも、沈静化してきたようです。
長髪に、ツンツンが何やら約束をさせられているようにも見えます。
ツンツンは、反省をしているのでしょうか。大人しく話を聞いているようです。
おおかたこういう場合は、浮気をたしなめられるとかが定番かと思われますが、こちらまで音声が届いてないため、詳細は不明であります。
魚たちの気持ちがほぐれてきたのでしょうか。
ツンツンの長髪へのご機嫌取りでしょうか。
たがいにもじもじしはじめたようです。
腕がお互いの腰に回り、細かく動かしているようです。
興味深い生態です。
ついに、魚たちは互いを祈る行為に及びました。
これは、ウェディ間では神聖な儀式とされているそうです。
特に、唇がきちんと重なる祈りは、子孫繁栄の象徴として礼賛されるとの言い伝えがあります。
男女間でこの儀式を行うと、結婚していない間で子孫が繁栄してしまいがちなので、儀式としては雄どうしで行うもののようです。
この雄魚たちは儀式仲間なのでしょうか?
そのようにも見えますし、仲間を越えたつながりができた者どうしのようにも見えます。
いずれにせよ、わだかまりは解消されたように観察されます。
最後は、機嫌の直った家主様とお連れ様も一緒に、和解のハイキングに出たようです。
右から二番目の人間は、教会で人間に転生した先ほどのツンツンウェディです。
アストルティア内には、まだまだ我々の知らない秘密が隠されているようです。
人、ウェディ、エルフ、オーガ、プクリポ、ドワーフ。
かれらの不思議ないとなみを見つめる旅が、続きます。
(終)