突然ですが、私は殺し合いが好きです。いや、でした。今は殺すのは好きだけど、殺されるのは嫌いです。以前の私には大好きな殺し合いの場が2つもありました。一つは終わらない夜の中で一人獣を狩り続ける世界、もう一つは謎のおっさんが開催する闇のゲーム。そこでの戦いは、私の喉をひりひりさせてくれました。いつもそこには敵と私しかおらず、頼りになるものなんて手に握った相棒くらいのもの。どこまでいっても自分の戦いだった。初めて会った獣とやりあう時は心が知らな間に踊りだして、相手の事が愛おしくて、殺してやりたくてたまらなくなる。頭蓋を手でブチ抜いて脳を引きずり出してやりたくなるのです。そして初めて勝った時のえもいわれぬ高揚感と一種の寂寞感、そして次が欲しいという獣性としか形容のしようがない感情は筆舌に尽くし難いものがありました。
闇のゲームことギャンビットは4対4のPVEVPコンテンツで、「侵入者」と呼ばれる役の人は敵の世界に単身乗り込み、一人で敵を妨害、あるいは殺害することになります。そして私はその侵入者でした。エネミーに夢中になる馬鹿の脳天を銃でブチ抜き、ショットガンで突っ込む奴はステルスでいなして殴り殺し、ロケランでこっちを狙う奴がロックオンをする間に破砕弓でまるごと吹き飛ばす。そして盤面をひっくり返した時。私だけの力で全部めちゃくちゃにした時。私はきっと嗤っていました。「あッははは!あいつらは何か言ってたか?聞こえなかったなあ、死人には口が無いからなあ!」とはよく言ったものです。思い出し笑いが止まりませんね。
でも、それもしばらくお休みです。私には新しく穏やかに過ごせる居場所が出来ました。少し前まで内心馬鹿にしていた平穏や思いやりが、今は私に安らぎを与えてくれます。もう殺し合いはおしまいなのです。ここにいるのは狩人のメファではなく、ちょっと間抜けでチームの皆が大好きな高校生。のんびり皆と遊ぶ毎日に満たされている今は、正直幸せで、いろんな嫌な事も忘れさせてくれます。今はそれでいいのです。 でも、いつかまた私が殺し合いたくなった時は、
是非ともお付き合いして頂けると、幸いです。