この小説は実在の人物とは一切の関係はありませんので、悪しからず。
メファ「出ない…」
ローニン「何がです?パイロット。」
ここはガタラ住宅街に立つとある家。こぢんまりとした家の内装は精々タンスとベッド位のもので、主人の無頓着さを如実に表していた。そこに住んでいる少女メファと、そのペットのデビルアーマーのローニンは、何やら難しい顔をしていた。
メ「何って宝珠よ、宝珠。根こそぎの重撃と大呪詛、デスパワーブーストのやつが手に入らないの。達人クエストも試練も毎週欠かさずやってるってのに」
ロ「魔界を開拓しない貴方が悪いんですよ、諦めて大魔王になってしまえばいいのでは?」
少女は顔を顰め、
メ「い・や・よ。絶対に嫌。何が悲しくてあんなアホ共の王にならなきゃいけないわけ?ユシュカにやらせときゃいいでしょあんなの。」
ロ「彼は資格が無いと言われていたと、私は記憶していますが?」
メ「あんな耳が気持ち悪いやつの言う事なんて気にしなくても良いでしょうに。第一、私みたいな人殺しが王になるなんて許されるべきじゃ無いわ。例えアホの王であってもね。」
ロ「貴方も強情ですねえ。大魔瘴季のことはどうするんです?」
メ「知らないわ、そんなの。ユシュカがなんとかするでしょ。」
ロ「バルディスタが攻め込んで来る件に関しては?」
メ「皆殺しにすればいいじゃない、あんな連中。悪人に人権は無いって言うし、ショタコンおばさんはパリィしやすそうだから余裕で倒せるでしょ。」
ローニンは呆れた様子で首を振り、
ロ「貴方が変な事を言うのはいつもの事ですが、もし世界が滅んだら貴方のせいですからね…?あの青年と同じく大量殺戮者の仲間入りですよ?」
少女は鼻で笑い、
メ「あ~あ~何も聞こえな~い。それじゃ私、出かけてくるから。ば~い♪」
ロ「あっ、…はぁ、全く。本当にどうする気なんでしょうね、あの人は。私もまだ死にたくは無いんですがねえ…」
ローニンは一人、肩を落とすのであった。