こんばんわ、こすもっこよ。
引っ張りすぎ感満載の、浮遊ネタのお話なんだけど…ついに最終回なのよ。
殺気立ったプクリポ達に取り囲まれ…
そしてわたしは殺される。
あんなに…小さくてかわいいのにね。でも、結構ガチ勢もいるらしくて、見た目に騙されちゃいけないって、お父さんよく言ってた。
…あまりひどい風にされないといいな。
頭を振りつつ起き上がり、身体の無事を確かめている黄色いドワーフを横目に見ながら、こすもっこはそう満足げに微笑む。
そして…
殺気だったプクリポ達に囲まれたその時も。
こすもっこは満たされていた。
争う気なんてチリほどもない。
彼女はその意味と重大さを理解してあの言葉を発した。
引き換えに得た対価は…と言えば…視界の端で、状況がわからずキョロキョロしている。
よかった、呪いは解けたのね。
…わたしに感謝しなさいよ?
こすもっこを囲むプクリポ達の輪が小さくなる。
「プクリポのお笑いレベルが低いって言ったの、こいつだよね?」
…
あ、そうだ。
あの時ドワーフが言いかけてた言葉…
ちゃんと聞きたかったなー
そう思いながら、こすもっこは目を閉じた。
…
あれ?
なんか…笑い声が聞こえる。
もう天国についちゃったのかな?
「わはははははははははー」
目を開けてみると、囲んでいたプクリポ達が笑い転げている。
「ボクたちがおもしろくないだって!わはははーめっちゃおもしろーーーい!」
「1周半回って新しいよね!」
「こすもっこり最高!」
「ぱふっ、ぱふぱふっ!」
ははっ、そっか。どんな事でも笑いに変える事ができる、身体は小さいけど、心は大きい。それがプクリポなのね。
レベルが低いとか言ってごめんね。
「わははははーまた言ってる!」
「てんどんてんどーん」
「ぱふっ、ぱふぱふっ」
天丼…じゃないけどね!
ちゃんとお笑いの勉強を…あれ??
…もしや、わたしが間違ってたのかな。
「面白い事を言ったから笑う」ではなくて「笑うから面白くなる」のかも。
素人のくせに、中途半端なテクニックを駆使していたわたしが急に恥ずかしくなってきた。
そっかそっか。
プクリポ最高じゃない!
ワンダフォーよ!せっしぼんよ!ふぉー!
あら?…すっかり元気になった黄色いドワーフがジト目でこっちを見ている。
「いや、オマエ…そんな露骨なフォローしてもやなぁ…もう手遅れやし、てゆーか…なんならゆーてしもた事を後悔してんちゃうのん?」
ウルサイ☆
さ、アナタも言いなさい!
プクリポサイコー♪
「いや、ワシは別に…」
命の恩人の言うこと、聞けないの?
「プクリポサイコー!」
それでいいのよ!
…ところで…
ドワーフ、アナタ倒れる前に何か言いかけてたわよね?
あれ、なんだったの?(ドキドキ…)
「え、ワシなんかゆーた??オマエのしょーもないダジャレ聞いた瞬間に頭がぼーっとなってもーてな…そっから記憶ないねんけど…なんか変なことゆーたん?」
こ…このアホドワーフ!!
ちょっとでもいいかなと思っちゃった私が間違ってたわよ!
わたし…やっぱり彼氏を探す旅に出るわよ!
おしまい