こんにちわ、こすもっこよ。
ステキな彼氏を探してアストルティアを旅しているのよ!
するわよ。いくわよ、さぁ旅に出発よ!
「そこな町娘。しばし待たれよ。」
そこな町娘…?
持ってまわったよーな言い方して…
一応振り返って確認するか。
出たわね。
なんだか見たことあるよーな、ないよーなカッコだけど。
誰なのそれ?
「ワシか。ワシはな、天下…あ、まだコレゆーたらあかんのか。」
え、正体不明のまま行くの?
それ大丈夫?後で正体明かした時に、オチも含めてちゃんと決まるのね??
「あ…どうしよ、まぁええか。えとな、水戸黄門やねん。」
あぁ、言われてみれば。
なるほど、ストーリーの前半は身分を明かせない、って事だったのね。
それはちょっと悪かったわね。
で?
助さん角さんはどこにいるの?
「ウォッホン。あのな、水戸黄門のお話ってな。元々は江戸で語られてた講談やねん。そして、その話には助さん角さんは出てこんかったそうな。その話が大阪に伝わって、大阪のとある講談師が話にアレンジを加えた。それが助さん角さんが出てくるあのお馴染みのやつやねんで。」
へ、へぇ…
「ちなみに江戸で語られてた水戸黄門は、助さん角さんではなく、俳人を連れて旅をする話やそうな。ちゅーことで、オマエ今から俳人な。」
これ、ワタシの日誌よ?なんでアンタの時代劇コントに乗っからないといけないのよ!
でもまぁ、俳人てのはいいかもね。
各地を旅しながら、そこで感じたことを詠むって、なんとも風情があるじゃないの。
よし、やってやろうじゃないのよ!
「おーそっか。じゃぁ、早速じゃ。旅立ちで一句詠めや。」
早速きたわね。
いいわよ、詠んでやるわよ!
旅立ちの秋空を見て一句よ!
秋風や まだ見ぬ温もり 旅の空
どーよ!
なんとなくちゃんとできたでしょ!
「…フツーに駄作やないか…。もうちょっとあるやろ?5.7.5じゃなくて、7.5.3とか、全部季語とか…なんぼでもやりようあるやろ??
ガチで作ってしくじるって一番恥ずかしいぞ?」
わかったわよ、次からちゃんとするわよ。
で?どこいくの?まずはバシっ娘?
「なにゆーとるねん。歩きに決まっとるがな。」
え、そうなん?もしかしてドルボもなし?
「歩きやゆーとるがな。歩いていろんなところ巡って、時にはいい人と出会い、時には悪人を懲らしめ、それが水戸黄門やないかいな」
めちゃめちゃ時間がかかるじゃない…はっ!
…あなた、もしかしてシリーズ化しようとしてない?
「えっ?」
ビクーっと驚いた様子のドワーフの袂から、分厚い企画書が落ちた。
『水戸黄門~5大陸編~』??全36回?!
なによこれ!めっちゃめちゃたくさん考えてるじゃないのよ!
パクリ企画のシリーズ化って、最低よ?今どきYouTuberでもやらないわよ!
…そもそも、あなた印籠は持ってるの?
「お、よく聞いてくれたな。ちゃんと持ってきとるがな。風雷の印籠!」
…
…出してみなさいよ
「え?」
その印籠、出してみなさいよ。
「いや、ちゃんと装備しとるで?ほら“詳しくみる“で見てみ??」
それはね、出さないと意味がないのよ。
アンタ毎回悪人にステータス確認させるつもりなの?「これを見よっ!」ってババーンと印籠出すから、ははーってなるんでしょうが!
「ボンボン言うな!ワシかてなぁ、それぐらいわかっとるねん。提案広場にもだしとるねん!でもなんの音沙汰もないねん!ワシかてなぁ、ワシかてなぁ…」
わかったわよ、泣くんじゃないわよ。
でも、ね?
続きは印籠を出せるよーになってからにしよ?
それに…原作がどうあれ、助さん角さんがいないと成立しないと思うわよ?ね?
提案広場に出したやつ、採用サレルトイイワネー
「ぐぬぬ、しゃあないな。と、とりあえず今回はクルクル回ってオチにしとこか!それっ!」
クルクル回るドワーフを遠い目で見てるけど…
黄門回る?回転黄門?クルクルじじい?ぜんぜんわかんないわよ?
「あしもとみんかい!!」
一本足でクルクルまわってるわね。
やりすぎたらバターになるわよ?
「ほら、足袋で回っとるやろ?水戸黄門だけに、足袋回る(旅回る)や!ドヤ!」
ふーん。
草履だけどね。
おしまい