お久しぶりね、こすもっこよ。
ステキな心霊スポットを求めてアストルティアを旅しているのよ。
はぁ?カレシはどうなったですって?
ちょっと疲れ。。違うそれはそれで探すわよ!
マルチタスクで進行なのよ!わかった?
まぁいきなり心霊スポットとか言っても意味わかんないわよね。
・・少し前の事よ。
夜遅くまで白箱を狩っていたんだけど、ふと気がつくと周りは真っ暗。
そしてそんな時に限ってルーラストーンを忘れてきてたのよ。
大陸鉄道の終電もないし、宿を探すしかなかったの。月明かりだけを頼りにさまよい、ようやく見つけた1件の建物。
建物の横に看板があり「ネネ寺」と書いてあったの。お寺か。それならば泊めてもらえるかもしれない!
藁にもすがる思いで、私は玄関扉を叩き、声をあげた。
こんばんわー!誰かいませんかー?
しばらくすると、扉が少し開いたの。
そしてかすれた声がした。
「はい。。。何のご用でしょうか。。。」
あ、御住職ですか!すみません!玄関先でもどこでも構いませんので、一泊させていただけませんか!?
「...生憎と、本日は取り込んでおりますので。。。どうぞお引き取りを。」
そう言われても引き下がるわけにはいかない。
さっきから冷たい雨も降ってきてるし、山の向こうではピカピカと稲光が光ってる。
無理と勝手を承知で改めて申します。泊めていただけるならどこでも構いません!なんとか、なんとかお願いできませんか!
「...そうですか。では。。。どうぞお上がりください。」
よかった!助かった!
私は丁重にお礼を述べ、扉をくぐった。
部屋にあがると、とても薄暗い。
そして、鼻に入ってきたのがお香のかおり。
「先ほど申し上げましたが、今日は取り込んでおりましてな。というのも、昨日この辺りで行き倒れがありまして。身元もなにもわかりませんのでせめて当寺で供養をと思い、今、通夜を行なっているところなのです。」
え、お通夜。。!?
「はい。。。この通り当寺は非常に狭く、お客様をお泊めするような場所などないのですが。。。」
「お客人は先ほど『泊まれるならばどこでもよい』と仰られた。それならばこの身元不明の仏様と一緒に夜伽をしてもらえればよかろうと思いましてな。」
え?行き倒れの仏様って。。あ、そこのお布団で寝てる。。それ?
「さようで。」
「あそうそう。客人にお貸しする布団がこの寺にはありませんでな。いやいや案ずるでない、そこで仏様が寝ているお布団はダブルサイズでしてな。仏様を端に寄せて、一緒に使って。。」
けけけけけけっこうです!!
わ、わかりました。
お線香でもあげて、お経を唱えてればいいのね。
雨風がしのげるだけで充分ありがたいですよ!
「では私は近くの村へ用がありますのでな。朝には戻りますがそれまでの留守番をお願いしますな。」
え、え、ちちちちちょっと!
ワタシと、行き倒れちゃんと2人っきり!?
む、む、むーりーよ!
「ではよろしく頼みましたぞ。」
じゅーしょくーーー!!
呼び止める声も聞こえていないかのように、住職は出かけてしまったのよ。
。。。つづく