占い師として名乗りをあげたのは4名
しかし伝承によれば
特殊能力に目覚めるのは1人だけ
占い師だけではない
霊能者も守護者も、そして狂人や妖魔も
共有者こそその能力とセットで
2人同時に目覚めるものの
他の能力者は1人しかいない筈である
↑女医 サラ
「誰かがウソを吐いている…」
サラは苦々しい面持ちで言った
「ここからは、議長としての役割は私とマリアンヌ
2人が担うわ。マルクス村長が占い師候補と
宣言した以上、敵である可能性もあるんですもの
異論はないわね」
今確実に人間と信じられるのは
共有者として互いを証明し合えるサラとマリアンヌ
2人だけであり、当然の処置だった
↑村長 マルクス
「占い師を確定されれば、村を滅ぼす前に
人狼が滅ぼされる、だから偽の占い師を
"騙って"いるということですね」
と、マリアンヌ
「そうね、4人の中に本物の占い師と
村に仇なす存在である人狼、狂人、妖魔の
何れかが3人いるのでしょう」
サラが答える
「牧師様、妖魔と狂人については伝承に
どう記されているのです?」
「妖魔とは人間でも人狼でもない独立した種です
占われると消滅しますし
誰かを襲うこともありませんが
人間、または人狼がいなくなった時に
妖力が解放され、生存者を消し去ると伝わります
つまり、我々人間にとっても人狼にとっても
最優先で打倒すべき存在であるということです」
牧師テンバーは狂人についても続けた
「狂人は生物学上は人間と何ら変わりません
ただその精神は人狼を崇拝するようになります
狂人自身は人狼が誰かすら分かりませんが
人狼という存在自体を絶対的主として
命を捧げることすら厭わなくなります」
↑墓守 レナード
「占い師を全員、順番に吊るしあげちまうか?」
黙って聞いていた墓守のレナードが言った
「全員吊るすには4日かかるが、少なくとも
3人の敵を墓場送りに出来るぜ、クックッ」
「それでは間に合わないわ」
サラが指で何かを数えながら言った
マリアンヌはその様子を見て、レナードの提案には
本物の占い師を処刑するという恐ろしい犠牲が
伴うにも関わらず、それに触れないサラに
達観した意思のようなものを感じた
↑修道女 マリアンヌ
「明日からの処刑で1人ずつ吊るすとしても
今夜には昨晩のアーヴァイン同様1人が襲われる
処刑で1人、襲撃で1人いなくなるとしたら
10人、8人、6人、4人、2人と日毎に減って
占い師の処刑が終わったら2人しか残らない
その内1人が妖魔だったら?人狼だったら?
今人狼や妖魔がおとなしく隠れているのは
私たち村人が数で勝っているからよ
一対一になった時、その理は崩れるわ」
「占い師を全員処刑しても、4人いる人外のうち
3人しか倒せない。逆にいえば1人は
確実に生き残ってしまうということですか…」
マリアンヌが呟くように言った
「私に考えがあるわ」
サラが再び意を決したように言った
「今夜、自称占い師の4人にはこれから指定する
者をそれぞれ占ってもらいます
カムイはハワードを。
ハワードはクワンを。
クワンはマルクスを。
マルクスはカムイを。
組み合わせに大した意味はないわ
第一の目的として、最優先で駆逐しなければ
ならない妖魔に占いを当てること。」
「女医さんは占い師の中に妖魔がいるって
分かるのかい?」
レナードが問う
「その可能性は高いと思うわ。だってもし
妖魔がいないとしたら、偽占い師3人の内訳は?」
「狂人、人狼、人狼、か?」
「そうでしょう?さっきレナード自身が提案した
ように、占い師を全員処刑するという結論に
達したらどうするつもりかしら。
人狼にとって自殺行為だわ」
レナード自身の言葉を使った説明に、反論は出来なかった
「第二に、真占い師を守ること」
「守護者は、自身の信じた占い師
またはマリアンヌを護衛して欲しい」
マリアンヌはハッとしてサラをみつめた
サラの瞳は集会所の僅かな灯りでもそれと分かるほど光を湛えて反射していた
「村の命運を懸けた方針を決めたんですもの
覚悟はしているわ。それに
私は医師として、もう誰の死も見たくない
さあ人狼共よ、血に飢えた野獣よ
今夜、私は無防備よ
占い師を襲えばそこに紛れているであろう
妖魔や守護者の盾で
お預けを食らうかもしれないわよ
私を襲うがいい!」
サラの目から大粒の涙が溢れた
チームB'もなかなかメンバーが増えず泣いた
まだまだメンバー募集している様子だった