注:蒼天のソウラ、特に突入部隊を題材にした二次創作であり、本編並びに出演者本人には一切関係ありません。
ギャグです。
「……マルモちゃんのほうも異常なし……と」
レヴィヤットとの通信を終えて、りょーこは軽く伸びをした。海底離宮への潜入作戦が始まってまだ日も浅いある日のことだ。
「りょーこさん、りょーこさん?ちょっといいかしら?」
「え?おきょう博士?」
話しかけたのは意外な人物。謎の戦隊の司令、おきょう博士。おっとりしながら戦隊の頭脳として頼られる彼女が、今は困惑した表情で話しかけてきている。
「会議室がちょっと騒がしいというか……ざわついてるというか……ざわざわ?」
「ざわざわって、なにそれ?」
彼女にしては歯切れの悪い発言に疑問をもちつつ、りょーこは一緒に会議室へ向かった。
「あっ……博士……りょーこさんも……」
会議室の前では戦隊のブラック枠、ミカが立っていた。表情が読みにくい彼女からでさえ、困惑した様子がわかる。
「ネコギシくんは?中に入れたのかしら?」
「ええ博士……それなんですけど……」
おきょうの質問にミカが答えようとした、その時だ。
「う、うわああああああ!!!」
扉が勢いよく開き、中からネコギシが文字通り転がり出てきた。姿はなぜかパンイチだ。彼は恐怖に怯えた表情で室内を指差している。
「ネコギシくん……!だ、大丈夫……!?」
「ミ、ミカ……おきょう博士も……。気をつけて……悪魔が、悪魔がいる……!」
そう言うとネコギシは腕を下ろし目を閉じた。室内からの多数の人物の存在と、熱気と悪寒の混じる異質な空気を感じ、三人は身構える。すると、声が聞こえる。
「ククク……死ねば助かるのに……」
女戦士かいり。彼女が今、会議室の女帝として鎮座していた。作画がおかしい、鼻が長い。
彼女の前にはあらゆる人間を堕落させる熱源装置、こたつだ。
上には緑色のシートが敷かれ、その上には一握りの直方体、麻雀牌が並んでいる。そしてかいりの脇には山積みになっている点棒。
盤面を視てりょーこは察した。かいりだ、彼女がこの異変の原因であり、ネコギシを半裸にした張本人であると。
「ひっ……!」
ミカが小さく悲鳴を上げた。部屋の奥の参上に気付いたのだ。ライトアップとラックシード、二人のイケ魚が倒れていた。パンイチだ。
隣ではライオウが椅子に座って真っ白に燃え尽きている。パンイチだ。
さらに奥ではテルキがびしょ濡れで転がっていた。コロンの中身をぶちまけたのであろう、とても匂う。もちろんパンイチだ。
「つまり暇潰しで始めた麻雀勝負した結果、乗りに乗りまくったかいりちゃんの勢いについていけず、点棒も払えないのに逆転しようとして服を賭けたのに全てをむしりとられた哀れな末路ってことね」
「おきょう博士、あらすじをがっつり説明しないでください……」
「死ねば助かるのに……」
「かいりはキャラクターを戻しなさい」
卓にはもう二人ついていた。かいりの右手についているドワーフのあおいは今はその顔を真っ青にしている。負けているのは明白であろう。
向かって反対にはバトルジャッキーデブニが目を光らせている。
「……あれ?ライティアちゃんは?いつも一緒にいるじゃない?」
りょーこが問うとデブニはそっとこたつをめくる。こたつの中ではライティアが丸くなって寝ている。これでは虎でなくて猫である。
「あんた……背中がすすけてるわよ……」
かいりがりょーこを指差す。卓に着けと言っているのだろう。
「……わかったわかった。勝負してあげるわ」