「……かわいい。うりうり……」
いつの間にかミカがライティアを抱っこしている。二人に見守られながら、りょーこが場についている。
りょーこの手牌はテンパイ。筒子の染め手、3-6-9の多面待ちである。
「博士……りょーこさんって今どういう状況なんです……?」
麻雀がまったくわからないミカがおきょうに聞く。右手ではライティアの喉をこちょこちょしている。
「ざっくり言うとそこそこ強くて上がりやすいってことね」
ざっくりすぎる。と、ツッコミを抑えながらもりょーこは違和感を感じていた。当然向かいに座るかいりだ。先ほどから筒子を連打しているがそれがことごとく当たらない。
向かいのかいりを見る。
「雨が来るなあ……」
いやここ海底だから。そんな妄言を吐きながらかいりが視線をそらす。なにかやましいことをしていることは誰の目にも明らかであった。
(まるで手牌が全部見えているみたい……)
かいりの違和感の原因、それを突き止めなければならない。そう感じたりょーこ。違和感。そう、違和感……。
(あれ?あの子たちはどこ行ったの?)
そこでハッと気付き、後ろを振り向いた。
「あっ」
「見つかっちゃった!」
二人の妖精マユミとぱにゃにゃん。違和感の正体、それは二人がいないことであった。言うまでもないが、後ろから手牌をサインで送っていたのであろう。
「ぐぬぬ!ばれちゃしょうがないわね!」
「あーん!かいり~ごめんね~」
(むしろなんで皆気付かないのかしら……)
妖精二人がかいりの側ににつく。りょーこはため息をつくとかいりに向き直る。
「アタシはストレートにいくわよ」
(どうするつもりなのかしら?)
次の局、かいりの第一打。直後声が上がる。
「ロン。人和、大三元、字一色。トリプル役満で96000点ね」
「どっかーーん!?」
かいりがトンだ。ついでに服も脱げた(ここサービスシーン)
さらにりょーこの暴走は続く。
「ツモ。四暗刻緑一色」
「ロン。ガタラ百万石」
「ツモ。国士無双(ライジングサン)」
「ロン。白一色(ビギニングオブコスモス)」
「ストップ!ストップ!なんで白が13枚も入ってるんだい!」
あまりの無茶苦茶ぶりにあおいからもツッコミが入った。りょーこの背後には船内のどこに積まれていたのかわからない量の点棒が並んでいる。
「ふふふ、私の作った麻雀手役作成マシーンがあれば初手で役満を作成可能よ!」
「博士……それイカサマ……」
後ろにいたおきょう博士の目が光る。彼女の手元からコードが延びていて、りょーこの手元に繋がっていた。
全てはおきょう博士とりょーこの策略であった。こうしてレヴィヤルデ麻雀合戦は決着となるのであった。
「さ、しょうもないことしてないで、離宮への旅を続けるわよ!」
りょーこが手を叩き、会議室の皆に声をかける。今日もレヴィヤルデ船内は騒がしくなりそうだ。
~おわり~
あとがき
深夜に思いついた一発ネタです。無茶苦茶なので何卒ご勘弁を!m(__)m
人の創作を読むと自キャラを自由に使ってくれと思いますが、実際自分でやるとやっぱり躊躇しますね……今回はギャグということで乗り切りましたが!