ーーそれは、蛍が舞う静かな夏の夜のできごとーー
毎年 夏は蛍を見に行くのが、俺の楽しみの1つだ。今年も いつもの場所で蛍の光を眺めている…。
ふと 突然の寒気にクシャミを1つ。 風邪をひかないうちに帰ろうかと 振り返ったその時………
ーーーーーーーーたすけてーーーーーーーーー
聞こえた。俺以外の、誰かの声が。 今度は 声と同時に音まで聞こえる。初めて聞く奇妙な音だった 「幽霊……? ま、まさかね!」と自分に言い聞かせながら 声のする方へ歩き出す
ーーーーーたすけてーーーーーーーーーたすけてぇーーー
声と音が徐々に強くなっていく。「ここだ…この角を曲がった先に…いる…」俺は勇気を出して、その角を…曲がった…!その先で見たものとは!!
……そこには 何故か上半身裸の男がベンチに座っていた。 よく見ると腰に下げている武器の爪がベンチに刺さっているではないか
男「おお…助かった! 爪が刺さってここから動けなくなってしまってねぇ、正直 どうなるかと泣きそうだったよ」
俺は武器と腰の接続部分を取り外し 男を助けてあげた
男「ありがとう!いやぁ、僕が 助けて と叫んですぐに君が大声で何回も応えてくれたから嬉しかったよ。正直、何を言ってるのかサッパリだったけどね(笑)あれはなんて応えてたんだい?」
俺「いえ 貴方の声は聞こえましたが、俺は大声なんて一言も出してないですよ? 貴方こそ 声と一緒に大きな音を出してくれたので すぐに場所が分かりましたよ。 あの不思議な音はどうやって出してたんですか?」男「……いや?僕は叫ぶのに必死で音なんて全く出してなかったんだけど…」
俺「…え」
男「…え」
……気がつくと、いつもの場所 に蛍の姿は無く 辺りの灯りも消え 俺達の目の前は真っ暗になっていた。
(書いた本人も分かってない 謎のオチで〆!)おわり