突然機能が停止したメタッピーを修理し始めた職人が語り始めた。
「久しぶりだなヘパトイス、もう私のことは忘れているかい?」
「それもそうか、もう私との記憶が入っていたパーツは交換されているようだ」
「あのとき、アクロニア鉱山におまえをおいていったのは今でも後悔している」
「きみがヘパトイスの今の飼い主だね? 全てを話しておいたほうがいいだろうな」
メタッピーを知っていると言っていたこの人こそ元の飼い主だったようだ
「交換する前の部品はまだ持っているかい?」
私はデコリーからもう捨てても良いよと言われていた古いパーツを
捨てられずにずっと持っていたことを思い出し、それを渡した
私は昔、防具鍛冶をしていてね、そのときこの子出会ったんだ
まだ駆け出しの職人だった私は素材拾いで、かなり危険な場所へも行っていたんだ
そのとき、突然の雷に撃たれたこの子に自我が目覚めたのは
この子は私の防具鍛冶を助けるために色々なことを覚えていった。
私はこの子に鍛冶の神様「ヘパトイス」と名付けたんだ
ヘパトイスは優秀で、私が作る防具は毎回大成功だった。
バザーに出品されないような防具も大量に出品したのさ
でもある日、この子をメンテナンスに出している間に
古い友人から防具の作成を依頼されたんだ
私は大成功の作成は自分の力だと思い上がって
この子が居ないまま作ったんだけど、
できあがったのは 出来損ないの防具だった。
伝説の職人と言われておきながら結局はヘパトイスのおかげだったんだ。
私は、そのときもうこの子と一緒には居られない。
そう思ってアクロニア鉱山に置いてきたのさ
あんたが連れて帰ってきて私の顔を見たときのこの子が
私のことを覚えていたことはすぐにわかったよ
まだ覚えてくれていたんだねえ
でもこの修理でそれも最後さ、
この子が覚えているのはせいぜいあんたのことだけになるさ