このところ、この話題ばかり日誌にしていて、
正直呆れられているんじゃないかと心配になるのですが、
もう少々お付き合いください。
もう競技はじまってしまってますけど、あえて言う。
やめませんか、と。
今の状況を見るに、オリンピックはやめない理由を探す方が難しい
とすら思えてきます。
大雑把に3つの観点からやめるべき理由を述べていきます。
理由1:不祥事
まず言わなければならないのが、五輪関係者から続々と出てくる
不祥事、それも、人権に関わる部分での不祥事です。時系列で列挙すると、
まず、渡辺直美氏に豚の衣装を着せるという開会式演出案。
これ、実行されてたら全世界に日本は人権など屁とも思っていないと
発信するような赤っ恥案件になっていたので、早い段階で炎上して
消えてくれて良かった。…まあ、こういう案が出たことが世界的に
知れてしまったので、すでに赤っ恥はかいてるんだが。w
次に、女性蔑視発言問題。
こういう人権感覚に鈍感なオヤジが五輪仕切ってるんだな、ということが
明かされた案件でしたね。関係者全員クビにしてまっさらにしてやり直し
しなきゃいけない程の事案だし、人口の約半分を占める女性に対する
権力者の視線がいまだこんななんだ、と実感させられる一件でした。
そして、ここへきての「いじめ問題」。
正直胸糞悪くて調べる気になれないんだけど、聞いた限りの話だと、
これはいじめなんてレベルじゃなく、レイプかそれ以上の人格破壊行為
にあたるようなもので、なんでこんな人物が出てくるのか疑問しかない。
もう一人の絵本作家というのも…、正直近いレベルで嫌悪を覚える感じの
内容なので、これも批判を免れないでしょう。
これらの人権問題が絶えず表面化してくることから窺えるのは、
オリンピック組織委員会という組織が、根本的に人権感覚が麻痺している
ということ。
これはオリンピックをやっていいかどうかというだけの話でなく、
それとは分けて、オリンピック組織委員会という組織そのものについて、
検証がなされるべきでしょう。
理由2:経済効果
詳しくは前の日誌で書いた通りですが、このまま五輪やっても
誰も経済的に得しないので、ちゃんと経済効果が期待できる時期に開催
しましょうね、というお話。
理由3:新型コロナウイルス
まあ、どうしても中止しなければならない理由というのはこれしかない
でしょう。上の二件ももちろん重要ですが、あちらはふだんから検証なり
されていなければならないことなので、緊急的にイベントを止める理由には
なりにくいからです。
正直、6月時点ではワンチャン7月~8月が感染拡大の「谷」に落ち込んで、
万全に対策すれば神風が吹いて無難に開催できる可能性も考えられた
のですが、7月に入ってその可能性も消えたので、私は堂々と中止を言い
はじめたわけです。
感染対策も、入国したてホヤホヤの五輪関係者が街中を公然と歩いていた
とか、濃厚接触者が失踪したとか、試合を控えた選手団が濃厚接触者に
該当してしまったとか、日本国内の感染拡大に対する懸念どころか、
このままいくと、試合が予定されているのに集団感染で出場選手が誰もいない、
みたいな展開すらあり得る状態です。
鳴り物入りではじめたオリンピックが、出場できる選手が誰もいなくなって
中途半端に閉幕なんて、恥の上塗りでしかないけど、いいんですかね?
というか、物理的に開催が不可能になることくらいしか、五輪が止まる
未来が見えてこないことに、暗澹たる思いにならざるを得ません。
ところで、今の状況がちょうど76年前の敗戦のときと相似形をしていることに
気付いている人もいると思います。
物理的にこれ以上進めないところへ行き着くまで軌道修正できないという、
70年以上前の過ちから未だ抜け出せていないということなのでしょうか。
誤りを糺すのに、遅すぎるということはないと思います。
そして、おかしいと思ったら、その場の空気に流されずに批判する勇気を
持つことも必要なのだと思います。
約80年前の戦争では、多くの人がひどい目にあいました。
私の祖父母も、自民党大好きだったり、天皇制大好きだったりした人たち
でしたが、一点、戦争だけはやってはいけないと、そこだけは揺るぎ
ませんでした。
その大きな過ちに後戻りできないほどにのめり込んでしまったのは、
いわば空気を読まずに「それはおかしい」と誰も言い出せなかったことが
根底にあるように思うのです。
おかしいと思ったなら、小さくても声を上げたい。
そして、「決まっていることだから動かせない」と諦めるのではなく、
おかしなことは、どんなに手遅れに思えても直していくべきだと思います。