娘 ねぇ、お母さん、あの人は何してるの?
お風呂に入っているみたいだけど?
母 あれはね、
油風呂……
別名地獄舟。古くは江戸時代罪人の拷問のためにあったという。金だらいに油をいっぱいにはり火のついたローソクをのせた笹舟を浮かべ下から火をたく。油温は上昇していくが身動きひとつすれば舟はひっくりかえり油に火がつき自分が火ダルマになるのは必定……。その恐怖と苦痛はローソク一本の火が完全になくなるまでつづく……。精神力の勝負である。近代においても極道社会でまだ根性試しに行われることがあるという
娘 さすが母さんは博学じゃのう。